1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08650890
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
高木 利治 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (20027816)
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Keywords | 代替フロン / 非塩素系フロン / 混合系 / 密度 / 高圧 |
Research Abstract |
本研究は冷媒・作動熱流体として汎用されているCHClF_2)に替わる媒体を見いだすために,非塩素フロン混合系の基礎的な熱力学的性質である液相の圧力-体積-温度-濃度(PVTx)関係を測定し、代替媒体としての特質を調べることを目的とした。用いた直接秤量法高圧密度計に精密圧力計を付加し,さらにはPVTxの解析に必須である飽和蒸気圧,飽和液密度を測定できるよう種々改良を施した。装置の信頼性を調べるため,PVT既知の純物質(CH_2F_2,CF_3CH_2F)について液密度を測定し,フロンでも広範囲の温度・圧力下で高密度域では±0.2%以内精度でPVTxが得られることを確認した。この密度計を用いて,HCFC22の有力代替媒体であるCH_2F_2/CHF_2CF_3,CHF_2CF_3/CF_3CH_3について種々濃度におけるPVTxを超臨界領域を含む温度:283〜353K,圧力:飽和蒸気圧〜20MPaの範囲で測定した。 フロンのPVTx測定は密度が大きい低温および高圧領域では比較的容易であったが密度希薄領域の実験は極めて煩雑であった。(1-x)CH_2F_2/xCHF_2CF_3および(1-x)CHF_2CF_3/xCF_3CH_3(xはモル分率)のPVTx測定値うち,メタン/エタン系である前者の密度はxの低濃度域で濃度に大きく依存する結果を得た。さらに蒸気圧の測定からこの系はx=0.1付近に共沸点を持つことを確かめ,この付近での等温圧縮率が濃度に対して不連続曲線を示すことが分かった。これらの結果はTaitの状態方程式に基づくHankinson-Thomsonの式で相関し,エタン/エタン系では実験値をよく再現したが,前者の系は共沸点を含む全濃度範囲で相関するには混合則に工夫が必要であった。
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