1996 Fiscal Year Annual Research Report
ビフィズス菌特異的増殖因子と膜型混合培養装置を利用したプロバイオテックスの生産
Project/Area Number |
08650939
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
谷口 正之 新潟大学, 工学部, 教授 (00163634)
|
Keywords | 増殖因子 / プロバイオテックス / ビフィズス菌 / プロピオン酸菌 / 混合培養 |
Research Abstract |
本研究では、プロピオン酸菌の生産するビフィズス菌特異的増殖促進物質(BGS)と膜型混合バイオリアクターシステムを利用したプロバイオテックスとしてのビフィズス菌の効率的生産法を開発することについて検討した。本研究において得られた結果は、以下のようにまとめられる。 1)Propionibacterium shermanii,Propionibacterium arabinosum,Propionibacterium freudenreichiiの各プロピオン酸菌は、グルコースまたは乳酸を炭素源としたTPY培地を用いた回分培養において、いずれもBGSを生産した。 2)未利用資源であるホエー中のラクトースを有効利用するために、ホモ乳酸菌によってラクトースをいったん乳酸に変換した後、P.shermaniiの培養のための炭素源として利用する培養方法を確立した。このホモ乳酸菌とプロピオン酸菌の混合培養において、BGSは乳酸を炭素源としたプロピオン酸菌の単独培養と同じ程度に生産できた。 3)BGSを含むプロピオン酸菌の培養液のビフィズス菌の生育に対する作用を、誘導期の短縮、比増殖速度、最終菌体濃度の増加および酸素耐性の強化の観点から検討した結果、BGSはビフィズス菌の最終菌体濃度を増加し、酸素耐性を高めるが、誘導期の長さには影響しないことが明らかになった。しかし、比増殖速度への影響についてはさらに培養工学的見地から検討する必要性があると考えられた。 4)2本のホローファイバー型精密濾過膜モジュールと2つの培養槽を組み合わた膜型混合バイオリアクターシステムを用いてビフィズス菌とプロピオン酸菌との混合培養を行った結果、ビフィズス菌は単独培養に比べ約2倍濃度まで生育させることができた。
|
Research Products
(1 results)