1997 Fiscal Year Annual Research Report
作物のイオントランスポーター遺伝子の同定とその制御
Project/Area Number |
08660010
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
長谷川 博 滋賀県立大学, 環境科学部, 助教授 (00090457)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥本 裕 京都大学, 大学院・農学研究科, 講師 (90152438)
白岩 立彦 滋賀県立大学, 環境科学部, 助手 (30154363)
|
Keywords | イオントランスポーター / H^+-ATPase / 硝酸吸収 / 簡易ディファレンシャル・ディスプレイ法 / セシウム抵抗性 / イネ / 突然変異体 / 幼植物 |
Research Abstract |
1.イオントランスポーター関連遺伝子に関する実験 セシウム(Cs)抵抗性は根の表皮細胞の原形質膜に存在するH^+-ATPaseに関わるイオン吸収機構の解明に有効であることが示唆されているが、前年度までに育成されたイネのCs抵抗性突然変異体を使っていくつかの実験を行った。 Cs抵抗性突然変異体の根で発現レベルが変化している遺伝子を解析することを目的として、同突然変異体のひとつCSR9と原品種日本晴について、簡易ディファレンシャル・ディスプレイ法を実施した。実験にはいくつかのプライマーを用いたが、それぞれについて原品種に存在するがCSR9には存在しないPCR産物が1種類ずつ認められた。 Cs抵抗性の遺伝およびCs抵抗性とイオントランスポーターの関連に関する生理学的解析は平成10年度に行う予定であり、そのための実験材料の育成と、根の細胞膜電位の測定のための予備調査を実施した。さらに硝酸吸収に関するKmが異なる品種の探索と低硝酸吸収突然変異体の遺伝子分析のための材料の育成を行った。 2.窒素転流に関わる遺伝子の探索 組織中の遊離の硝酸、亜硝酸を測定する目的で市販されているNO2/NO3アッセイキットの有効性を確かめた。この方法を用いてイネ幼植物の葉の両イオン含量を調べたところ、低硝酸吸収突然変異体では両イオン含量が原品種より高くなっていること、硝酸還元酵素欠失突然変異体の亜硝酸含量が原品種と同レベルであることなど、生体内の硝酸代謝関連遺伝子の発現と代謝に及ぼす影響について興味のある結果が得られた。調査した範囲内において両イオン含量に関する品種間差異は認められなかった。
|