1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08670471
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
濱野 米一 大阪府立公衆衛生研究所, 食品細菌課, 主任研究員 (70159094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川津 健太郎 大阪府立公衆衛生研究所, 食品細菌課, 研究員 (20260367)
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Keywords | 下痢性貝毒 / オカダ酸 / dinophysistoxin / 検出法 / ELISA / 乳のみマウス法 |
Research Abstract |
下痢性貝毒の高感度検出システムを構築するため、開発保存していた下痢性貝毒成分のオカダ酸、dinophysistoxin-1及びdinophysistoxin-3に対し特異的に反応する抗オカダ酸モノクローナル抗体を使用してELISA法の基礎的条件を検討するとともに、ELISA法による定量値を公定法(マウス致死活性測定)および乳のみマウス法(下痢原性活性測定)による定量値と比較検討したところ、以下記載のとおり良好な結果が得られ、高感度で選択的に、しかも簡便、迅速に下痢性貝毒を検出できるELISA法が確立できた。 1.ELISA法の基礎的条件の検討 1)ELISA法に供する試料調製方法を各種溶媒を用いて検討した結果、下痢性貝毒の抽出液はメタノールが最も良いことが明らかになった。2)新規開発のELISA法の測定範囲はは20〜300ng/ml、測定時間は2時間で、公定法に比べ感度は20倍に向上し、測定時間が1/12(従来法は最短24時間)に短縮された。3)回収率は95〜100%であった。 2.ElISA法による定量値を公定法および乳のみマウス法における定量値と比較 1)高濃度の下痢性貝毒が検出された貝類10検体について比較した結果3方法における定量値はよく一致した。2)公定法及び乳のみマウス法で検出限界以下の陰性となった20検体のうち3検体から低濃度の下痢性貝毒を本ELISA法で検出し、検出感度が高いことが確認された。 上記のとおり平成8年度当初の研究計画にそって実施し成果が得られたので、平成9年度については、さらに貝類の種類及び検体数を増やしELISA法を実施し、公定法、乳のみマウス法の測定値と比較検討し、高感度検出システムを構築する。
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