1996 Fiscal Year Annual Research Report
抗リン脂質抗体症候群患者の抗カルジオリピン抗体の特異性と血栓原性の研究
Project/Area Number |
08670505
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
市川 健司 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (40261292)
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Keywords | ファージランダムペプチドライブラリー / 抗カルジオリピン抗体 / 抗リン脂質抗体症候群 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
1.抗リン脂質抗体症候群患者4例より9クローンのモノクローナルβ2-グリコプロテインI (β2-GPI)依存性抗カルジオリピン抗体(aCL)を作成した。すべてIgMクラスであった。 2.抗リン脂質抗体症候群患者より作成したモノクローナルaCLの内6クローンと抗リン脂質抗体症候群モデルマウスより作成したモノクローナルaCL 1クローンの、β2-GPIのドメイン欠損蛋白への反応性を固相酵素抗体法にて検討した。ヒトモノクローナルaCL、3クローンおよびマウスモノクローナルaCLは、β2-GPIの第4ドメインの関連したエピトープを認識していると考えられた。他のヒトモノクローナルaCL、2クローンは、β2-GPIの第5ドメインに関連したエピトープを認識していると考えられた。残りの1クローンは、認識しているドメインを同定できなかった。 3.M13ファージのマイナ-コートプロテイン、pIIIのアミノ末端に、ランダムな7個のアミノ酸を発現させたランダムペプチドライブラリーより、抗リン脂質抗体症候群患者より作成した3クローンのモノクローナルaCL、EY2C9, EY1C8, TM1G2に結合するファージを、パニング法にて選択し、クローニングした。そのpIIIのアミノ末端を規定する遺伝子の塩基配列より、そのアミノ酸配列を推定した。EY2C9, EY1C8への結合にて選択したファージクローンのpIIIアミノ末端のアミノ酸配列には、共通のモチーフとしてそれぞれNMXN, LXVTXWが認められた。TM1G2への結合にて選択したファージのpIIIアミノ末端のアミノ酸配列には、共通のモチーフは認められなかったが、ロイシンが多い傾向がみられた。今後、他のモノクローナルaCL、抗リン脂質抗体症候群患者血清より抗原親和性を用いて精製したaCLを用いて抗カルジオリピン抗体によって認識されるアミノ酸配列を検索する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Tsutsumi A: "ANTIBODIES TO BETA-2-GLYCOPROTEIN I AND CLINICAL MANIFESTATIONS IN PATIENTS WITH SYSTEMIC LUPUS ERYTHEMATOSUS" Arthritis & Rheumatism. 39. 1466-1474 (1996)
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[Publications] Igarashi M: "HUMAN BERA (2) GLYCOPROTEIN I AS AN ANTICARDIOLIPIN COFACTOR DETERMINED USING DELETED MUTANTS EXPRESSED BY A BACULOVIRUS SYSTEM" Blood. 87. 3262-3270 (1996)
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[Publications] 市川 健司: "抗リン脂質抗体症候群と血栓症" 日本内科学会雑誌. 85. 1828-1832 (1996)