1998 Fiscal Year Final Research Report Summary
ヒト末梢血樹状細胞による癌免疫療法の基礎及び臨床研究
Project/Area Number |
08670513
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
内科学一般
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高見沢 勝 東京大学, 医学部・附属病院分院, 講師 (40216784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 力 東京大学, 医学部・附属病院分院, 助教授 (00134578)
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Project Period (FY) |
1996 – 1998
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Keywords | 樹状細胞 / 樹状前駆細胞 / CD2(+)前駆細胞 / 一次免疫応答 / 二次免疫応答 / 腫瘍抗原 |
Research Abstract |
樹状細胞は不均一な細胞集団である。我々は末梢血より一次免疫応答誘導能をもつ樹状細胞の分離法を確立してきた。しかし、その由来となる前駆細胞の性状については全く不明であった。それを明らかにすることで現在癌の免疫治療に応用されるようになった樹状細胞の分離法を改善しさらに担癌患者への臨床応用をおこなった。末梢血単核球をフィコール比重遠心法で分離後、パニング法によりT、B、N、K細胞及び単球を除いた残りの細胞を抗HLA-DR抗体FITCと抗CD2抗体PEで二重染色しフローサイトメトリーで解析した。HLA-DR brightの細胞分画はCD2(-)とCD2(+)の2つに分画された。HLA-DR dullの細胞分画はCD34(+)CD2(-)で幹細胞と推定された。抗原提示分子をもつHLA-DRbright、CD2(-)とCD2(+)分画をセルソーターにより精製した。両前駆細胞とも光学顕微鏡、電子顕微鏡下ではリンパ球より若干大型の円形の形態を示し、細胞質内に顆粒を有していた。両前駆細胞には蛋白抗原に対する抗原提示能はないが、分化して樹状様の形態に変化するとCD2(-)細胞由来の樹状細胞は二次免疫応答のみを誘導し、CD2(+)細胞由来の樹状細胞は一次、二次両方の免疫応答を誘導した。一次免疫応答誘導能をもつ前駆細胞はCD2(+)分画にありそのフェノタイプはCDla+,CDlc+,CD4+,CD33+,CD40+,CD54+,CD86+,HLA-A,B,C,DR,DQ,DP bright,lineage negativeで分化に伴いCD2,CD4,CD33の発現が低下し、CD40,CD54,CD80,CD86などの接着分子の発現が増強した。これら前駆細胞は末梢血単核球の0.5%以下であった。単核球からone layer Percollで樹状細胞を分離する方法を確立した。腫瘍lysateを抗原として肝癌、肺癌、大腸癌患者に樹状細胞ワクチン療法を開始した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Masaru Takamizawa: "Dendritic cells that process and present nominal antigens to naive T lymphocytes are derived from CD2+precursors"Journal of immunology. 158. 2134 (1997)
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[Publications] 高見沢 勝: "末梢血樹状細胞によるactive immunotherapy"日本皮膚科学会誌. 108. 1677 (1998)
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[Publications] 高見沢 勝: "抗原提示細胞(樹状細胞、単球)の分離"臨床免疫、新臨床免疫実験操作法. 29. 32 (1997)
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[Publications] 高見沢 勝: "樹状細胞を用いた免疫療法"治療学. 31. 91 (1997)
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[Publications] 高見沢 勝: "樹状細胞を用いた癌免疫療法"小児内科. 29. 1031 (1997)