1997 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト伊東細胞のコラゲン分解酵素,その阻害物質の遺伝子発現に及ぼすアルコールの効果
Project/Area Number |
08670613
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Research Institution | NARA MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中野 博 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60093283)
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Keywords | アルコール / 肝線維症 / MMP-2 / TIMP-1 / TIMP-3 / IV型コラーゲン / アセトアルデヒド |
Research Abstract |
アルコール性肝線維症の成立に関するIV型コラゲン分解酵素の関与を検討することを目的に、私の考案した方法で切除肝より分離したヒト伊東細胞培養系を用い、IV型コラゲン分解酵素であるmatrix metalloproteinase-2(MMP-2)、及びMMP-2の阻害物質であるtissue inhibitor of metalloproteinase-1(TIMP-1),TIMP-2,およびTIMP-3の遺伝子発現、さらにIV型コラゲン蛋白産生に及ぼすアセトアルデヒド(AcCHO)の影響をin vitroの系で検討した。 方法は5-6代10%FCS添加DMEM培養液で継代培養したヒト培養伊東細胞を用い、培養系伊東細胞がsemiconfluent stageに達した時期に血清freeの条件に24時間放置後、終濃度0,25,および50μmol/LにAcCHOを4時間添加培養し、その後AcCHO無添加の系で培養の後、伊東細胞内のRNAを抽出し、既に報告されているヒトMMP-2,TIMP-1,TIMP-2,およびTIMP-3の遺伝子配列より夫々プライマーを設定し、定量的RT-PCR法にてmRNA発現半定量を行った。一方、IV型コラゲンの定量はmRNA発現検討に用いたのと同様な条件の培養系を用い、36時間に培養上清および細胞内に産生されたIV型コラゲン量を7Sコラゲン量の測定にて定量した。 その結果AcCHO添加により伊東細胞のIV型コラゲン合成量には変化が無かったが、MMP-2、TIMP-1,TIMP-3の遺伝子発現量は低下していた。以上の結果はAcCHOはIV型コラゲン分解に対し抑制的作用を発揮する可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)