1996 Fiscal Year Annual Research Report
心臓交感神経の虚血性機能障害における蛋白質リン酸化酵素の関与に関する研究
Project/Area Number |
08670755
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
阿部 豊彦 秋田大学, 医学部, 助手 (30231963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼平 聡 秋田大学, 医学部, 助手 (80234334)
斉藤 崇 秋田大学, 医学部, 講師 (90178484)
三浦 傳 秋田大学, 医学部, 教授 (10006710)
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Keywords | 心臓交感神経 / 心筋虚血 / 副腎皮質ステロイド |
Research Abstract |
これまで我々は、イヌ冠動脈の15分閉塞・再潅流が心臓交感神経に機能的脱神経を生じること、神経成長因子(NGF)がこの虚血性神経障害に対して保護的作用をもつことを示した。近年、副腎皮質ステロイドがNGF産生に促進的に作用することが報告されている。副腎皮質ステロイドの虚血性心臓交感神経障害に対する効果を解明する目的で実験を実験を行った。 【方法】イヌをα-chloraloseで麻酔・開胸後、両側迷走神経を切断し、propranololを投与。超音波クリスタル法による左室壁長変化率(%SS)とともに左前下行枝(LAD)と回旋枝(LCX)の冠動脈血流速度をドプラーprobeを用いて測定した。両側胸部交感神経節を10V、10Hzで10秒間電気刺激時の交感神経性冠動脈収縮反応を冠動脈抵抗の変化率(%ΔCVR)を算出することにより評価した。イヌ各々5頭で生食またはhyrocortisone(0.04mg/kg/min)をLAD投与下に同枝中枢側を15分間閉塞・再潅流し、この前後での交感神経刺激時の%ΔCVRの変化を検討した。またNorepinephrine(NE)0.1μgを冠動脈内投与時の%ΔCVRの変化も同様に検討した。 【結果】交感神経刺激時のLADの冠動脈抵抗増加率%ΔCVRは、生食投与群では冠閉塞・再潅流後に40.1【plus-minus】10.5%より15.3%【plus-minus】 4.6%へと有意に低下したが、hydrocortisone投与群では保持された。また、冠動脈内NE投与時の%ΔCVRは両群とも保たれ 以上、虚血性neural stunningはhydrocortisoneの投与により抑制された。近年、副腎皮質ステロイドのNGF産生増強効果が報告されており、hydrcortisoneの効果はNGF産生を介した可能性が考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Toyohiko Abe: "Proteetive role of nerve growth factor against postischemic dysfunction of sympathetic coronary innervation" Circulation. 95(1). 213-220 (1997)
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[Publications] Toyohiko Abe: "Role of adenosine receptor subtypes in neural stunning of sympathefic coronary innervation" Am.J.Physiol.272(Jan). H25-H34 (1997)