1996 Fiscal Year Annual Research Report
α2-アドレナリン受容体による細動脈収縮の情報伝達系とアシドーシスによる抑制
Project/Area Number |
08670834
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
岩崎 忠昭 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90068437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立石 順 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (60163490)
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Keywords | 微小循環 / L型電位依存性カルシウムチャンネル / 百日咳毒素 / α2-adrenoceptor / ATP感受性カリウムチャンネル |
Research Abstract |
我々はα2-アドレナリン受容体の細動脈収縮には、受容体、ATP感受性カリウムチャンネル(K_<ATP>)、L型電位依存性カルシウムチャンネルという順序の情報伝達系の存在を報告したが、受容体K_<ATP>の間の情報伝達は未だ不明である。そこでα2-adrenoceptorからの情報伝達の主役である抑制性G蛋白質(Gi)が、α2-adrenoceptorとK_<ATP>間の情報伝達にも関与しているかを解明するため、Giの働きをなくす百日咳毒素(PTX)を用い検討した。正常WKYラットを対象に、精巣挙筋の内径約100μm、長さ約2mmの細動脈を実体顕微鏡にて無傷にかつ迅速に取り出し、この細動脈両端より外径約60μmのガラスピペットを挿入固定し、Krebs液にて持続的に灌流される漕内に懸下し、倒立顕微鏡からCCDカメラを介し血管径を測定した。側枝等によるleakがなく、自発緊張を得て、正常のmyogenic responseを示す細動脈のみを対象に実験を行った。漕内にα2-adrenoceptor刺激薬(UK-14,304:0.1nM〜10μM)をα1-adrenoceptor遮断薬(prazosin:10nM)と同時に投与し、細動脈径を測定することにより細動脈収縮におけるUK-14,304の濃度反応曲線を求めた。次いで、100ng/mlのPTXに60分間暴露し、同様の濃度反応曲線を求め比較した。PTXによりUK-14,304の最大収縮は19±7%に抑制された。次いでK_<ATP>の遮断薬であるglibenclamideの濃度反応曲線を、PTX投与前後で比較する予定である。glibenclamideによる細動脈収縮がPTXにより影響を受けなければGiが、α2-adrenoceptorとK_<ATP>間の情報伝達に関与していることが解る。しかし本検討は、手技的に困難で未だ充分な結果を得ておらず、もう少し時間が必要である。
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