1996 Fiscal Year Annual Research Report
小児急性リンパ性白血病の予後における遺伝子増幅による微小残存病変検出の意義
Project/Area Number |
08670875
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
堀部 敬三 名古屋大学, 医学部, 講師 (30209308)
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Keywords | 急性リンパ性白血病 / 微小残存腫瘍 / t(12;21) / t(1;19) / t(9;22) |
Research Abstract |
t(12;21),t(1;19),t(9;22)転座を認める小児急性リンパ性白血病について初発時、寛解期の骨髄検体について微小残存腫瘍(MRD)の検討を行った。 方法は、それぞれの転座融合遺伝子であるTEL/AML1,E2A/PBX1,BCR/ABLをRT-PCR法で増幅して、etidium bromide法とsouthern法で検出した。 1.t(12;21)7例、t(1;19)8例、t(9;22)2例(major1例、minor1例)、について治療開始1ヶ月後及び3〜4ヶ月後の骨髄について検討した。 2.t(12;21)の7例では、全例MRD陰性であった。臨床的にも全例寛解生存中である。 3.t(1;19)の8例中7例はMRD陰性であったが、1例は1ヶ月後及び3〜4ヶ月後の骨髄いずれも陽性であった。MRD陰性の7例は、全例寛解生存中であるが、陽性の1例は、治療開始後1ヶ月で寛解が得られたが、6ヶ月後に骨髄再発をきたした。 4.t(9;22)の2例は、いずれも治療開始1ヶ月後はMRD陽性であり、1例は、4ヶ月後も陽性のままであった。臨床的には、いずれも治療開始後1ヶ月で寛解が得られ、その後同種骨髄移植を行った。MRD陽性持続例は、移植後陰性となったが、移植後6ヶ月で骨髄再発をきたした。 このようにMRDの推移と臨床経過との相関が認められた。 今後、TCRδやCDRIIIを用いて多数例での検討を行う予定である。
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