1997 Fiscal Year Annual Research Report
小児急性リンパ性白血病の予後における遺伝子増幅による微小残存病変検出の意義
Project/Area Number |
08670875
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
堀部 敬三 名古屋大学, 医学部, 助教授 (30209308)
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Keywords | 急性リンパ性白血病 / 微小残存腫瘍 / t(12;21) / t(1;19) / t(9;22) |
Research Abstract |
t(12;21),t(1;19),t(9;22)転座を認める小児急性リンパ性白血病(ALL)について初発時、寛解期の骨髄検体について微小残存腫瘍(MRD)の検討を引き続き行った。 方法は、それぞれの転座融合遺伝子であるTEL/AML1,E2A/PBX1,BCR/ABLをRT-PCR法で増幅してetidium bromide法とsouthern法で検出した。 小児白血病研究会に登録されたALL症例のうち初発時骨髄の保存された105例についてTEL/AML1,E2A/PBX1,BCR/ABLの発現を検討した。 TEL/AML1は、解析した105例のうち、15例に認められた。これらのうち1〜3カ月後の検体が得られた3例についてはMRDは陰性であった。 E2A/PBX1は、105例のうちcytoplasmic μが陰性でなかった54例について解析した結果、5例に認められた。1例に経時的解析が行われ、1カ月及び3カ月後のMRDは陰性であったが4カ月後には陽転し、以後陽性が続いた。臨床的にも7カ月後に骨髄再発した。 BCR/ABLは、6例に認められた。 今後、これらの症例の経時的検体についてMRDの解析を行い、その臨床的意義を検討するとともに、陰性例についてはTCRδやCDRIIIによる解析を行う。
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