1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08670923
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
西田 直樹 関西医科大学, 医学部, 助手 (40180616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
禹 満 関西医科大学, 医学部, 助手 (50203419)
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Keywords | バルプロ酸ナトリウム / 肝障害 / フェニトイン / 4-en-VPA / β酸化 / ω酸化 / バルプロイルカルニチン / カルニチン |
Research Abstract |
バルプロ酸ナトリウム(VPA)は治療スペクトラムが広く、てんかんの治療に頻用されている。VPAによる肝障害の機序は世界的に検討されてきた。今なお、明らかでなく、VPAのより安全な投与のためにはその解明は急務である。我々は、尿中アシルカルニチンが肝障害機序解明には重要な鍵になると考えて研究をしてきた。これまでの継続的研究の中で、バルプロイルカルニチンを含めたVPA代謝物のより詳細な検討が必要となってきた。今回VPAの種々の投与条件下すなわち、VPA通常投与、VPA単独大量投与、VPAとフェニトン(PHT)の併用、L-カルニチンの併用の5群での臨床検体を対象とした。これら群での肝ミトコンドリアにおけるβ酸化とマイクロゾームにおけるω酸化の状態、肝障害物質と考えられてる4-en-VPA、カルニチン値、およびバルプロイルカルニチン値との関係について検討をおこなった。今年度は、VPA大量+PHT併用群はVPA単独投与群に比して、GOT,GPT,LDH値の増加を認めた、VPA単剤大量群とVPA大量+PHT併用群における肝機能障害とβ、ω酸化の代謝産物、4-en-VPAとの関係について検討した。VPA大量+PHT併用群はVPA単剤大量群に比べ、血中VPA濃度は低値であり、総β酸化代謝産物、4-en-VPA、ω+(ω-1)酸化代謝物の濃度は減少していた。VPA大量+PHT併用群において、肝機能障害と4-en-VPA値とVPAにおけるβ酸化、ω酸化代謝産物には関連性は認められなかった。今回VPA大量+PHT併用群での肝機能障害とVPA代謝産物の比率において有意な関連性をみいだすことはできなかったが、この検討結果については、すでにEpilepsiaに報告した。今後もアシルカルニチンのさらに詳細な検討をし、VPAによる肝機能障害について検討を続ける予定である。
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Research Products
(1 results)