1996 Fiscal Year Annual Research Report
EBウイルス誘発性皮膚悪性リンパ腫の臨床と病態の解析
Project/Area Number |
08670979
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
岩月 啓氏 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (80126797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 守弘 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (60235405)
元木 良和 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (40244389)
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Keywords | リンパ腫 / EBウイルス / 血球貪食症候群 / EBER / 血管中心性リンパ腫 / 皮下型リンパ腫 / 種痘様水泡症 / 蚊アレルギー |
Research Abstract |
自験例および多施設からご恵贈いただいたリンパ腫および関連疾患の85検体の生検材料につき、PCR法、In situハイブリダイゼーション法と免疫染色法を用いてEBウイルス感染の有無と病型を解析した。計17例のEBウイルス陽性例と既報告例を解析した結果、TあるいはNK細胞性リンパ腫では、1)血管中心性リンパ腫、2)血球貪食症候群を伴う組織球様リンパ腫、3)血球貪食症候群を伴う皮下型リンパ腫、4)大顆粒リンパ球性白血病に伴う皮膚病変の臨床型に分類できた.さらに、皮膚のEBウイルス関連リンパ球増殖症として、5)顔面の水泡性丘疹症、6)筋肉内リンパ球浸潤を伴う顔面および眼瞼浮腫、7)大顆粒リンパ球/NK細胞増加症に伴う皮膚病変、8)EBウイルス関連血球貪食症候群に伴う皮膚疾患などが認められた.注意すべき合併症として蚊刺アレルギーが明らかになり、5)の病型はアジアとメキシコに集中している可能性が高いと考えられた.いったんリンパ腫として発症した症例では多剤併用化学療法を用いても予後不良であった.しかし、EBウイルス感染T細胞クローンの存在が明らかでありながら緩徐にしか進行しない「くすぶり型」の病態も存在した.血球貪食症候群を伴うリンパ腫は欧米に比較してアジアに多く、ときに、蚊刺アレルギーを合併するなどの特徴がある.したがって、病態の解明には遺伝的背景(HLAなど)を考慮したEBウイルスに対する免疫学的反応の異常と、地域的背景を持ったco-factorの解析が重要と思われる.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Iwatsuki K: "Clinicopathologic manifestations of Epstein-Barr virus-associated cutaneous lymphoproliferative disorders:a retrospective study" Archives of Dermatology. (印刷中).
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[Publications] Han G-W: "Screening results for HTLV-1 and Epstein-Barr virus DNA sequences in mycosis fungoides and Sezary syndrome in Japan" European Journal of Dermatology. 7. 95-98 (1997)
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[Publications] 岩月啓氏: "菌状息肉症とHTLV-1" 皮膚のリンフォーマXV(瀧川雅浩監修)(皮膚リンフォーマ研究学会). 15. 28-31 (1996)
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[Publications] 岩月啓氏: "リンパ球系細胞の表面形質:光顕から免疫電顕は" 日本皮膚科学会雑誌. 106. 1770-1772 (1996)
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[Publications] 岩月啓氏: "皮膚T細胞性リンパ腫-菌状息肉症とSezary症候群を中心にして" Medicina. 33. 709-711 (1996)
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[Publications] Iwatsuki K: "Latent Epstein-Barr virus infection is frequently detected in subcutaneous lymphoma associated with hemophagocytosis,but not in non-fatal cytophagic histiocytic panniculitis" Archives of Dermatolohy. (印刷中).