1996 Fiscal Year Annual Research Report
後天性の表皮融解性角質肥厚症の病因病態の解明ならびに病因に基づく病型分類の確立
Project/Area Number |
08670987
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
鈴木 啓之 日本大学, 医学部, 助教授 (40059473)
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Keywords | 表皮融解性角質肥厚症 / 後天性 / 日光曝射 / 角化異常 |
Research Abstract |
本研究は、表皮融解性角質肥厚症という特異な角化異常症が日光曝射を誘因として後天性に生じ、それをPersistent actinic epidermolytic hyperkeratosisと呼称したいとする当研究者(鈴木啓之)の臨床研究報告に端を発する。 平成8年度の当初計画は、上述の表皮融解性角質肥厚症の症例で、主として免疫組織化学的手法により病態の解明を試みようとしたが、該当症例がないため実験系を導入し現在続行中である。 実験のベースは、1)夏期に約1日間上半身裸で野球場で高校野球の観戦をしたところ、2〜3カ月後に上背から背部にかけて表皮融解性角質肥厚症が生じたという症例報告、ならびに、2)セザリ-症候群患者に紫外線を用いた治療法であるPUVA療法を施行したところ表皮融解性角質異常症が生じたという症例報告に基づく。実験は材料としてヘアレスマウスを用いている。方法としては、 実験1:野球観戦者の浴びた紫外線量(UVA)を算出し、該当量の紫外線をマウス背部皮膚に1回照射あるいは数回に分けて照射した。実験2:PUVA療法被治療者の被爆した紫外線量(UVA)を算出し、マウス背部皮膚にpsoralenを塗布した後、該当量の紫外線を1回照射あるいは数回に分けて照射した。照射後1〜3ケ月後に、皮膚を採取した。なお対照としては、実験1)、実験2)とも背部の非照射部皮膚を用いた。採取した試料を、光学顕微鏡(H&E染色)で観察しているが、これまでのところ表皮融解性角質肥厚症の出現は認められていない。現在、免疫組織化学的方法でのチェックを行いつつある。 論文発表は、鈴木啓之:Persistent actinic epidermolytic hyperkeratosis,日本皮膚科学会雑誌,106巻(9号)1179-1185,1196年・8月を発表した。
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Research Products
(1 results)