1997 Fiscal Year Annual Research Report
後天性の表皮融解性角質肥厚症の病因病態の解明ならびに病因に基づく病型分類の確立
Project/Area Number |
08670987
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
鈴木 啓之 日本大学, 医学部, 教授 (40059473)
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Keywords | 表皮融解性角質肥厚症 / 後天性 / 日光曝射 |
Research Abstract |
本研究は、表皮融解性角質肥厚症という異常角化が強い太陽光線を比較的短期間照射されることにより後天性に生じると主張し、それをPersistent actinic epidermolytic hyperkeratosisと呼称し発表したことにはじまる。研究者は26年前に経験した第1例を嚆矢として、これまで4例を経験している。とくに1992年に経験した、ヨット遊びの後3ヶ月を経て今まで皮疹の全く無かった大腿に生じた1例により、日光による誘因を確信するに至った。平成9年度の当初計画は、上述の表皮融解性角質肥厚症の症例で、主として免疫組織化学的手法により病態の解明を試みようとしたが、該当症例がないため実験系を導入し現在続行中である。 実験の基盤は、以下に述べる2報告例である。報告例1:下記に約1日間上半身裸で孝行野球を観戦したところ、2、3ヶ月後に上背から背部にかけて本症が生じたという例、ならびに、報告例2:セザリ-症候群患者にUVA療法を施行したところ、本症を発症したという例とである。実験はヘアレスマウスを用いた。実験は、実験1として、報告例1の浴びた紫外線量を算出し、該当量の紫外線をマウス背部皮膚に、UVA単独照射またはpsoralen+UVAを1回照射あるいは数回に分けて照射した。実験2は、PUVA療法被治療者の被曝した紫外線量(UVA)を算出し、マウス背部皮膚にpsoralenを塗布した後、該当量の紫外線を1回照射あるいは数回に分けて照射した。実験1、2とも照射後2〜3ケ月後に、皮膚を採取した。なお対照としては、実験1、実験2とも背部の非照射部皮膚を用いた。採取した試料を、光学顕微鏡(H&E染色)で観察しているが、これまでのところ一部の実験群マウスの表皮内に好酸性に染まる顆粒の出現をみとめている。現在、電子顕微鏡でのチェックを行いつつある。
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Research Products
(1 results)