1996 Fiscal Year Annual Research Report
ライフイベント研究-うつ状態のライフイベント、内分泌、免疫学的検討
Project/Area Number |
08671089
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
塚野 健 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (20274079)
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Keywords | ライフイベント / ライフイベント評価尺度 / 大うつ病 / DSM-III-R |
Research Abstract |
感情障害者および健常者をライフイベント経験群と未経験群とに分け、精神症状評価、内分泌・免疫学的検査を行い比較検討するに際して、まずライフイベント評価をどのようにするのか検討した。目的:感情障害の診断別、男女別、年齢、出現時期におけるライフイベントの出現率を調査した。対象:平成3年1月から平成6年12月までの4年間に広島大学医学部附属病院精神科へ入院した患者の中で、DSM-III-Rの診断基準にて大うつ病と診断された100例男性42例、女性58例。方法:Paykelのライフイベント表を基に日本文化に合うように改訂し、51項目よりなるライフイベント表を作成した。入院記録に記載された情報に基づき入院1年以内のライフイベントの有無、内容、期間について、ライフイベント表を用いて調査した。結果大うつ病単一エピソード37例(男性15例、女性22例)、大うつ病反復性29例(男性13例、女性16例)、双極性障害うつ病性34例(男性14例、女性20例)。ライフイベント出現率は、感情障害全体では、48%(男性45.2%、女性50.0%)。診断別では、大うつ病単一エピソード48.6%、大うつ病反復性55.1%、双極性障害うつ病性41.2%。年代別では、30歳以下56.0%、30〜39歳50.0%、40〜49歳48.0%、50〜59歳42.0%、60歳以上44.0%。ライフイベント出現率は、男女別、診断別、年代別に有意な差は見られなかった。ライフイベント出現時期については、1ヵ月未満が14.0%、1〜3ヵ月が40.3%、3〜6ヵ月が19.2%、6〜12ヵ月が26.3%であり、ライフイベント出現率は、出現時期において有意差はみられなかった。
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