1996 Fiscal Year Annual Research Report
トロンボポエチンの受容体(C-Mpl)との親和性と血小板造血調節機構
Project/Area Number |
08671208
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
佐藤 武幸 千葉大学, 医学部, 講師 (30187207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 治美 千葉大学, 医学部・附属病院, 医員
三浦 信之 千葉大学, 医学部・附属病院, 医員
太田 節雄 千葉大学, 医学部・附属病院, 医員
布施 晃 国立予防衛生研究所, 安全性研究部, 室長 (60110300)
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Keywords | トロンボポエチン / 結合親和性 / C-Mpl / 受容体 / 調節 / 巨核球 / サイトカイン / フォルボールエステル |
Research Abstract |
トロンボポエチン(TPO,C-Mplリガンド)は、巨核球および血小板造血の重要な役割をc-Mplリセプターの活性化を通じて果たしていると考えられている。我々は、我々が樹立した巨核球系細胞株CMKを用い、TPO(米国ジェネンテック社より供与)等のサイトカインおよびDMSO,フォルボールエステルのTPO結合への効果を、^<125>l-TPO(米国ジェネンテック社より供与)を用い検討した。結合試験は至適の条件である、15℃2時間にて行った。 CMKを種々の濃度のTPOで前処理し、洗浄後細胞表面に結合したTPOを除去するために更に3時間TPOの含まない培地で培養し(この操作で90%以上のTPOが細胞表面より除かれる)、その後_<125>l-TPOの結合を調べたところ、処理量に従って_<125>l-TPOの結合は減少した(平均70%)。TPOによる阻害は前処理30分後にはすでに認められ、3時間後には最大に達した。Scatchard解析により、これは親和性の低下ではなく受容体数の減少と判明した。この減少は正常骨髄巨核球においても認められた。TPOによる阻害はCMKにおいてほとんどの蛋白質合成が阻害される濃度のサイクロヘキシミドにより阻害されなかった。 lL-3,lL-6およびDMSO(いずれもCMKを分化させる)の前処置では、_<125>l-TPOの結合は阻害されなかったが、フォルボールエステル(プロテインキナーゼC活性物質)前処置により強く阻害された。この阻害も受容体数の減少であり、サイクロヘキシミドにより阻害されなかった。 TPOおよびプロテインキナーゼCによる阻害は今後の興味ある研究課題であり、正常または病気時の血小板造血についての研究に寄与すると思われる。
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[Publications] Yokoe H.Sato T.et al.: "Induction of polyploidization in the human erythreleukenia cell line(HEL) by the protein kinase inhibibotal (K21-2a) and the phorborester-TPA" Leuk,Lymph,. (in press).