1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671274
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関 常司 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30206619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 茂夫 東京大学, 医学部・(病), 助手 (50188380)
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Keywords | 近位尿細管 / ATP受容体 / イオン輸送 / 細胞内カルシウム / プロテインキナーゼC |
Research Abstract |
我々は細胞外ATPが腎近位尿細管細胞内Ca濃度の一過性の上昇を生じ、薬理学的、および生理学的検討によりこの反応がG-蛋白と共役しているP2yタイプのATP受容体によることを報告した。この受容体の生理学的意義を検討するために細胞内Ca濃度の増加およびPKCの活性化が単離した近位尿細管における酸・塩基輸送過程にどのような影響をあたえるかを蛍光色素(BCECF,Fura-2)を用いて検討した。その結果、高濃度のionomycin(Ca ionophore)は非生理的な著しい細胞内Ca濃度増加と細胞内pHの上昇を生じ、これがCa/H交換輸送の発現によることを明らかにした。一方、低濃度のionomycinにより生理的範囲内での細胞内のCa濃度上昇をおこさせると、管腔側のNa/H交換輸送体の活性が約50%程度抑制され、この作用がCalmodulin kinase IIを介することが示された。またPKCの活性化により基底側のNa-HCO3共輸送体活性は60-80%程度大し、同時に細胞内pHの低下を介して間接的に管腔側のNa/H交換輸送体が活性化されることが示唆された。近位尿細管機能を調節するAngiotensin IIやEndothelinなどのホルモンはその作用が二相性(低濃度で刺激、高濃度で抑制)であることが知られており、我々の得た知見はこうした複雑なホルモン作用の少なくとも一部を説明するものであると考えられる。細胞外ATPによる近位尿細管機能調節についてはさらなる検討を重ねているが、現在までに管腔側膜には基底側膜のP2yとは異なるタイプのATP受容体が存在することを示唆する結果を得ている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Yamada,G.Seki,S.Taniguchi,S.Uwatoko etal: "Effect of ionomycin on cell pH in isolated renal proximal tubules" Biochemical and Biophysical Research Communications. 225. 215-218 (1996)
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[Publications] H.Yamada,G.Seki,S.Taniguchi,S.Uwatoko et al: "Roles of Ca^<2+> and PKC in regulation of aciel/base transport in isolated proximal tubules." American Journal of Physiology. 271. F1068-F1076 (1996)
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[Publications] K.Asaho,S.Taniguchi,A.Nakao,T.Wanatabe et al: "Distribution of platalet activating factor receptor mRNA along the rat nephron segments." Biochenical and Biophysical Research Communications. 225. 352-357 (1996)
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[Publications] K.Asano,S.Taniguchi,A.Nakao,T.Maruyama et al: "Distribution of thromboxane A_2 receptor nRNA along the mouse nephron segments." Biochmical and Biophysical Research Communications. 226. 613-617 (1996)