1998 Fiscal Year Annual Research Report
糸球体腎炎における潜在型TGF-β結合蛋白(LTBP)の発現とその役割の検討
Project/Area Number |
08671281
|
Research Institution | HAMAMATSU UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE |
Principal Investigator |
米村 克彦 浜松医科大学, 医学部・附属病院助教授 (40252176)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤垣 嘉秀 浜松医科大学, 医学部, 助手 (20283351)
池谷 直樹 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助手 (80283357)
|
Keywords | TGF-β / LAP / LTBP / ATS |
Research Abstract |
TGF-βは腎臓の線維化に関与するが、活性型と潜在型がある。潜在型TGF-βには潜在型TGF-β結合蛋白(LTBP)の結合したlarge latent TGF-β complexとLTBPの結合していないsmall latent TGF-β complexが存在している。我々は抗胸腺抗体の一回打ちの急性腎炎モデルと2回打ちの慢性進行性モデルにおいてLTBPの発現、またTGF-βがlarge latent TGF-β、small latent TGE-β、もしくは活性型TGF-βとして腎疾患では存在しているのか検討した。正常群ではTGF-β蛋白は糸球体内皮と尿細管に発現がみられ、ミラー切片にてLTBP蛋白、LTBP mRNAは糸球体上皮細胞、尿細管に発現がみられた。急性腎炎群、第3、7日にはTGF-β、LTBP蛋白、mRNAはともに糸球体上皮、内皮、残存メサンギウム領域で発現の増強がみられ、尿細管間質ではLTBP蛋白、mRNA発現の増強はみられなかった。第28日にはLTBPの発現は正常群と同等に減少した。慢性進行性腎炎群第14日では糸球体係蹄とボウマン嚢癒着部、細胞線雄性糸球体においてもTGF-βとLTBP蛋白、LTBPmRNAの一致した強発現が認められた。第42、56日ではTGF-β、LTBP蛋白、LTBP mRNA発現は糸球体に加え、尿細管間質においても強い発現が認められた。 以上より正常群の糸球体ではsmall latent TGF-β complexで分泌されるが腎炎モデルではlarge latent TGF-β complexが分泌されていると考えられた。また糸球体、尿細管間質でのlarge latent TGF-β complexの持続発現が腎硬化に関与している可能性が示唆された。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Yamamoto,T.: "Expression of typel,II,and III TGF-β receptors in human glomerulonephritis." Journal of the American Society of Nephrology. 9. 2253-2261 (1998)