1996 Fiscal Year Annual Research Report
リン調節蛋白(Phosphatomin及びPEX)異常と低リン血症発症の分子機構
Project/Area Number |
08671288
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
宮本 賢一 徳島大学, 医学部, 助教授 (70174208)
|
Keywords | phosphate / transporter / Phosphatonin |
Research Abstract |
無機リンは、カルシウムと同様に骨の形成や石灰化に必須の成分であり、血中リンレベルの異常は、骨障害をもたらす。これらの調節は主に腎近位尿細管でのリン再吸収システムを構成する高親和性Na/リン輸送担体の活性変化を介して行われている。これまでに家族性低リン血性クル病や良性腫瘍に由来する低リン血症の研究を通じて、リン再吸収システムを阻害する液性因子の存在が知られており、Phosphatoninと命名されている。最近、伴性家族性低リン血性クル病の原因遺伝子の一部が同定され、PEXと呼ばれる蛋白の異常が低リン血症を引き起こす原因であることが明らかにされた。推定されるアミノ酸の一次構造より、PEX蛋白はPhosphatoninの分泌を調節しているプロセシング酵素と推定されているが、全長cDNAはクローニングされていない。本研究は、低リン血症の原因遺伝子がコードするPEX蛋白のクローニングおよびその生理機能の解析と、Phosphatoninの性質を明らかにし、低リン血症発症の分子機構を解明することである。 PEX遺伝子のロ-ニング 1)PEX遺伝子cDNAをクローニングするため、ヒト白血球よりpoly(A)RNAを抽出し、DNAライブラリーを作成した。ヒトPEX遺伝子の一部報告されている配列を基に、全長クローンを得た。そこで現在遺伝子構造を決定している。 Phosphatonin産生細胞の同定と部分精製 1)リン輸送担体遺伝子プロモーター領域をルシフェラーゼ遺伝子上流に結合し、COS7細胞に発現させ、これらの阻害活性を指標として部分精製を行っている。さらにPEX遺伝子が発現している細胞にはPhosphatoninの存在が示唆されるので、阻害活性を指標としてPhosphatonin産生細胞を調べた結果、主に骨芽細胞が産生臓器であることが明らかになった。今後は骨芽細胞の可溶性画分を用いて、ゲル濾過、HPLCにより活性分画を精製する。また良性腫瘍をもつ低リン血症患者より得られた血清を用い、プロモーター活性の低下を示す分画が得られたので、これらを分離精製する予定である。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Katai,K et al: "Acule regulation by dietary phosphate of the sodium-dependent phosphate transporter(NaPi-2)in rat kidney." J.Biochem.121. 50-55 (1997)
-
[Publications] Miyamoto,K et al: "Effects of truncation of the COOH-terminal region of a Na^+-dependent neutral and basic amino acid transporter on amino acid transport in Xenopus ooxytes." J.Biol.Chem.271. 16758-16763 (1996)
-
[Publications] Miyamoto,K et al.: "Role of rBAT gene product in cystinuria." Int J Urol. 3. 91-93 (1996)