1997 Fiscal Year Annual Research Report
幽門輪保存膵頭十二指腸切除術における胃内容停滞の原因解明に関する研究
Project/Area Number |
08671482
|
Research Institution | KEIO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高橋 伸 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (50129508)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉川 英史 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00255473)
|
Keywords | 幽門輪保存膵頭十二指腸切除術 / 胃内容停滞 / 血中acetaminophen濃度 / 血中motilin濃度 |
Research Abstract |
平成9年度は血中acetaminophen濃度による胃内容排出と、血中motilin濃度測定を行った。 1.血中acetaminophen濃度による胃内容排出 control群のacetaminophenの胃内投与後の血中濃度の上昇は15分後にpeakがあり、その後徐々に低下するpatternを示した。peak時の血中acetaminophen濃度は32.9±11μg/mlであった。PPPD術後6日目の測定では、peakは45分後で、controlに比べて遅延していた。また投与後10、15、30分の時点の血中acetaminophen濃度がcontrol群に比べて有意に低下しており(p<0.05)、この点からも胃内容排出が遅延していることが確認された。術後27日目ではpeakは投与後30分にあり、血中acetaminophen濃度はいずれの時点でもcontrolと差はなかった。 2.血中motilin濃度 control群のIMC出現時の血中motilin濃度は485±102μg/ml、休止期の濃度は85±51μg/mlであった。PPPD術後7日目は、強収縮群が観察されなかったため、任意の時点で採血を行なった。平均血中motilin濃度は83.3±51μg/mlであり、control群のIMCの非出現時の血中濃度と差を認めず、IMC出現時の血中濃度より有為に低下していた(p<0.05)。術後14日目では、IMC類似の強収縮群出現時の血中motilin濃度は126±50μg/ml、強収縮群が出現していない時の血中濃度は90.1±52μg/mlで、両群間に有意差はなかった。術後28日目では、IMC類似の強収縮群出現時の血中motilin濃度は196±102μg/ml、強収縮群が出現していない時の血中濃度は143±96μg/mlで、両群間に有意差はなかった。
|