1997 Fiscal Year Annual Research Report
Spreading depressionにより誘導される脳虚血耐性の分子機構解明
Project/Area Number |
08671576
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Research Institution | TAZUKE-KOFUKAI MEDICAL RESEARCH INSTITUTE |
Principal Investigator |
石川 正恒 財団法人田附興風会, 医学研究所・第4研究部, 研究主幹 (20115786)
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Keywords | 脳虚血 / spreading depression / 虚血耐性 / アポトーシス / ネクローシス |
Research Abstract |
1)脳エネルギー代謝への影響 ラットを用いた実験で、single spredding depresion(SD)の負荷では5分以内に刺激局所の大脳皮質にalkalosisを認め、続いて同側大脳皮質全域に広がるacidosisの波が観察された。これらは約20分で回復した。ATPはacidosisの発生回復と一致して枯渇回復を示した。120分間の繰SD刺激でacidosisとATP枯渇が認められたが、45分以後はこの変化が減弱し、60分以後はほとんどみられなくなった。その後にSDの負荷をおこなっても6時間まではacidosisとATP枯渇は観察されなかった。 2)アポトーシスとの関連 SDをあらかじめ負荷しておくことにより、脳虚血負荷による大脳皮質での神経細胞の脱落が抑制された。ネクローシスの割合は負荷群と非負荷群で有意差は認めなかった。 3)カルシウムホメオスターシス SD負荷によるカルシウムホメオスターシスの変化は組織化学的には認められなかった。 以上より、SDは脳虚血による大脳皮質神経細胞の脱落を防止し、このSDによる虚血耐性はアポトーシス防止によるもとと考えられた。
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