1997 Fiscal Year Annual Research Report
糖輸送担体を利用した新しい脳腫瘍画像診断法と薬物療法の開発
Project/Area Number |
08671626
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Research Institution | TAZUKE KOFOKAI MEDICAL RESEARCH INSTITUTE |
Principal Investigator |
西岡 達也 財団法人田附興風会, 医学研究所・第4研究部, 主任研究員 (10270563)
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Keywords | 脳腫瘍 |
Research Abstract |
研究目的:グルコースは全ての細胞のエネルギー代謝にとって最も重要な物質であり、細胞内へのグルコースの取り込みは糖輸送担体と呼ばれる特異的な膜貫通蛋白(糖輸送担体:GLUT)を介して行われている。GLUTは数種のアイソトープからなり、グリオーマではこのうちGLUT3,一部GLUT1(共に基礎糖輸送を担うGLUT)の発現が著しく亢進し,しかもこの発現量は腫瘍の悪性度と相関することから,本研究の目的は標識抗糖輸送担体抗体やアンチセンスDNAを用いた画像診断法や抗腫瘍効果を模索する事にある。結果:(1)昨年度の結果より培養細胞系における糖輸送についてもグリオーマではGLUT3が特異的に関与することが示唆されたため、グリア由来脳腫瘍細胞株T98Gを対照にGLUT3ポリクローナル抗体を用いて抑制試験を行った所、抗体の濃度依存性に腫瘍の成長を阻害することが証明された。現在GLUT3モノクローナル抗体の作製中である。(2)T98Gをヌードマウス脳内に微量注入し作製した脳腫瘍モデルに^<32>PでラベルしたGLUT3及びGLUT1のアンチセンスDNAを静脈内投与したオートラジオグラフィーを施行したところ、GLUT1はその特異性に明らかに欠点があるがGLUT3は比較的特異的に脳内のT98G腫瘍塊に集積する。現在、その感度を上げるべく検討中である。
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