1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671660
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
橋詰 博行 岡山大学, 医学部, 助教授 (60237922)
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Keywords | 有限要素法 / 応力分布 / 手関節 / コンピューターシミュレーション / 感圧フィルム / タクタイルセンサー |
Research Abstract |
(研究方法)平成8年度は有限要素法を用いたシミュレーションの前段階として、コンピューターモデルの信頼性の検討のために、屍体標本による実験を行った。形状が単純で以下の実験が行いやすい肘関節を用い、タクタイルセンサーシステム(ニッタ社製I-SCAN)および感圧フィルム(富士フイルム社製超低圧用プレスケール)を用いて接触応力分布を測定した。さらに、それぞれの結果を比較した。 15肘を対象に、前腕回内、回外、中間位の測定に各5肘ずつ用いた。3肢位でそれぞれ肘屈曲角度0、15、30、45、60度における圧分布様式を前腕長軸方向に最大50Kgまでの負荷をかけ測定した。関節は骨軟骨、靭帯および関節包のみとし、上腕骨、前腕骨を独自に作製した圧負荷装置に固定した。腕橈関節に感圧紙およびタクタイルセンサーを前方肘関節包に切開を加え挿入し測定した。感圧紙の濃度変化はコンピューターで解析し色調の変化で表した。タクタイルセンサーではコンピューター解析で圧負荷の増加はグラワの高さで表した。 (研究結果)圧分布は肘関節伸展位では、回外位で外側に、回内位で内側に集中していた。中間位でもやや内側への集中への傾向がみられた。さらに屈曲角度の増加にしたがい接触面積の拡大を認めた。すなわち、関節運動の角度によりが関節適合性が変化していることが分かった。圧力の最大値は伸展位に比較し軽度屈曲位では減少が見られたが、屈曲角度の増加にしたがい最大値が増加するものも見られ、一定の傾向は認められなかった。 (考察)今年度の研究では、感圧紙やタクタイルセンサーの精度の問題や、測定方法、個体差などに注意を要するが、感圧紙とタクタイルセンサー両者の結果は良く一致しており、それぞれの機器の信頼性がある程度確認された。感圧紙の方が接触応力の分布とその差を比較的正確に表現でき、タクタイルセンサーは精度は劣るが絶対値が分かることが確認された。
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