1996 Fiscal Year Annual Research Report
正常血液量性血液希釈下における消化管粘膜pHの変動及び消化管創傷治療に関する研究
Project/Area Number |
08671729
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
萬代 良一 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (60263050)
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Keywords | 血液希釈 / 消化管粘膜pH / 消化管粘膜血流 |
Research Abstract |
正常血液量性希釈状態における消化管創傷治癒に関して検討する前に、本年度は正常血液量性希釈状態における消化管粘膜血流及び粘膜pHの変動について検索し、血液希釈下における消化管粘膜の酸素化がどのような機序で維持されているかを検討した。 家兎をペントバルビタール静注にて麻酔導入し、気管内挿管を行い、F,O_20.21、イソフルラン1%、臭化ベクロニウム静注にて麻酔を維持し調節呼吸とした。正中切開にて開腹し、空腸に小切開をおきトノミータ(ヒト直腸用)を約15cm挿入して固定し、トノミータバルーンの約5cm近位の部分に水素ガス電極を刺入して閉腹した。血液希釈は、Hb10、7、5、3.5g/dlを目標として脱血、等量のヒドロキシエチルスターチ製剤の輸注にて作成し、各段階で空腸粘膜血流(Fi)を水素ガスクリアランス法にて、また空腸粘膜pH(pHi)をトノメトリー法を用いて測定を測定した。 その結果、FiはHb5g/dlにて上昇傾向、Hb3.5g/dlにて減少傾向を示したが有意は変化はなかった。空腸粘膜酸素運搬能は希釈に伴い有意に減少したが、pHiは漸減傾向にあったが有意な低下はなかった。これより、等量血液希釈状態における家兎空腸粘膜の酸素化は、Hb3.5g/dlに至るまで維持され、主に酸素取り込み能の増加によって代償されたと考えられる。
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