1997 Fiscal Year Annual Research Report
腎細胞癌に対するIL-12を用いた遺伝子治療の基礎的検討
Project/Area Number |
08671816
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中本 貴久 広島大学, 医学部附属病院, 講師 (40240874)
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Keywords | 腎細胞癌 / 遺伝子治療 / インターロイキン-12 |
Research Abstract |
腎細胞癌に対するIL-12を用いた遺伝子治療の可能性を検討するため、マウス自然発生腎細胞癌であるRenca細胞にMFG retroviral vectorを用いてマウスIL-12遺伝子を導入、生物学的活性を有するIL12を分泌する細胞(Renca IL-12)を作製し、Renca IL-12細胞を用いた遺伝子治療の可能性についてを検討した。【方法】1.Renca IL-12をマウス側腹部皮下に接種し、in vivoにおける腫瘍形成能を検討した。2.腫瘍を拒絶したマウスに対してのRenca細胞を再接種し、免疫獲得の有無を検討した。3.遠隔部位にある腫瘍細胞に対する抗腫瘍効果を検討するために、野生型Renca細胞を左側腹部の皮下に接種し、Renca IL-12細胞あるいは野生型Renca細胞を右側腹部に接種し、左側腹部の腫瘍を計測した。【結果】1.in vivoにおけるRenca IL-12の腫瘍形成能はRenca細胞と比較して有意に低下していた。2.10^5個の系で4匹中1匹(20%)、10^6個で10匹中7匹(70%)、10^7個で7匹中4匹(58%)が再接種したRenca細胞を拒絶した。3.対側に野生型Renca細胞を接種したマウスは3週までに5匹とも腫瘍を形成したが、Renca IL-12細胞を接種したマウスでは、腫瘍形成がやや遅く6週まで腫瘍を形成しないマウスが存在した。また左側腹部の腫瘍の大きさは、Renca IL-12を対側に接種したマウスで小さく、対側に接種したRenca IL-12細胞は遠隔部位にある腫瘍細胞に作用することが判明した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Nakamoto: "Loss of tumorigenecity induced by interleukin-12 gene transferin murine renal cell carcinoma cells." Proceeding of the American Association for Cancer Research. 38. 11 (1997)
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[Publications] 中本貴久: "腎細胞癌に対するIL-12遺伝子治療の基礎的研究.I.IL-12遺伝子導入細胞の作製" Biotherapy. 11・3. 290-292 (1997)
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[Publications] 笠岡良信: "IL-12を用いたマウス腎細胞癌の遺伝子治療." 腎癌研究会会報. 14(印刷中). (1998)
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[Publications] 笠岡良信: "特集 泌尿器科領域における分子生物学の臨床応用.II.治療編(分子生物学的治療).3.腎細胞癌." 臨床泌尿器科. 52・3(印刷中). (1998)