1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671825
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
酒井 英樹 長崎大学, 医学部附属病院, 助手 (40235122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 泰 長崎大学, 医学部, 教授 (70039832)
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Keywords | 副腎 / 腺腫 / DNA ploidy |
Research Abstract |
アルドステロン産生腺腫(原発性アルドステロン症)38例、コルチゾール産生腺腫(クッシング症候群)24例、合計62例の副腎皮質腺腫を対象にしてフローサイトメトリーによる核DNA量測定を行い、以下の結果を得た。 1.対照として用いた正常副腎組織17例は、全例diploidであった。 2.アルドステロン産生腺腫ではdiploid26%、tetraploid61%およびaneuploid13%であり、コルチゾール産生腺腫ではdiploid79%、tetraploid8%およびaneuploid13%と、アルドステロン産生腺腫はコルチゾール産生腺腫に較べtetraploidyを示す頻度が有意に高いことが明らかとなった。 また、43例の副腎皮質腺腫を対象にして核異型度を検討した結果、アルドステロン産生腺腫ではコルチゾール産生腺腫に較べ核異型度が有意に高かった。以上の結果から、アルドステロン産生腺腫でよくみられる核の多形性は核DNA量と密接に関連している可能性が示唆された。 現在、fluorescence in situ hybridization(FISH)を用いて、染色体の数的異常の解析を進めているが、これにより個々の染色体レベルでの詳細な解析が可能になると思われる。さらに、正常・腺腫・癌での染色体異常の差異および内分泌活性との関連性についても検討する必要があると思われる。
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