1998 Fiscal Year Annual Research Report
子宮体癌、卵巣癌の発生、進展に関与する情報伝達系クロストークの解析-Ras蛋白を介する経路を中心にして-
Project/Area Number |
08671905
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
加藤 聖子 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (10253527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 貴雄 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (10304825)
加藤 秀則 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (60214392)
西田 純一 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (40264113)
和氣 徳夫 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50158606)
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Keywords | 卵巣癌 / 運動能 / HGF / HaFR / MAPK |
Research Abstract |
卵巣癌細胞株を対象としてHGF刺激による細胞運動能・浸潤能への影響,及びシグナル伝達経路について検討した.HGF受容体蛋白発現をウエスタンブロット法で解析したところ、卵巣癌細胞株8株中6株でHGF・Rの過剰発現を認めたが、ELISA法による測定では、各細胞株培養液上清中に有意なHGFの産生は認めなかった。Boyden chamberを用いたHGF刺激による細胞運動能・浸潤能への影響を検討では、8株中6株で促進を認め、HGF刺激によりHGF・Rのリン酸化,MAPKの活性化の亢進も認めた。ras dominant negative(rasDN)を発現するアデノウイルスを感染させると、HGF刺激によるMAPKの活性化を抑制し、細胞運動能・浸潤能も抑制した.以上よりHGFR→ras→MAPKのシグナル伝達経路は卵巣癌細胞の運動能・浸潤能に関与することが示唆された(Ueoka,Y.Kato,K.et al.投稿中)。Rasの負の調節因子であるGAPのcDNAをほ乳類発現ベクターに組み込み、上記の子宮内膜癌細胞株に形質導入させ、ベクターのみを形質導入したmock細胞とコロニー形成率を比較した。IK細胞ではほとんど差がみとめられなっかたのに対し、HHUA細胞では約30%、HOUA細胞では約10%にコロニー形成率が低下していた。GAPの遺伝子導入は変異型Rasを発現している子宮内膜癌細胞の腫瘍能抑制に有効であることが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Shimizu,A.,et al: "CyclinG Contributes to G2/M arrest of cells in response to DNA Damage." Biochemical and Biophysical Research Communications. 242. 529-533 (1998)
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[Publications] Kato,K.,et al: "Oncogenic Ras modulates epidermal growth factor responsivess in endometiral carcinomas." European J.Cancer. 34・5. 737-744 (1998)
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[Publications] Kato,K.,et al: "Requirement of Estrogen Receplor Expression and Function for 〔12Val〕 K・Ras Mediated NIH3T3 Cell Transiormation." Oncology. 55. 45-52 (1998)
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[Publications] Hachiya,T.,et al: "WAF1 Genotype and Endometrial Cancer Susceptibility." Gynecologic Oncology. 71 in press.
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[Publications] 加藤聖子: "癌の遺伝子診断-がん遺伝子を用いた遺伝子診断-" 産婦人科の実際. 47・5. 601-606 (1998)
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[Publications] 加藤聖子 他: "癌の増殖とサイトカイン" 臨床婦人科産科. 52・8. 1078-1081 (1998)