1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08672050
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
吉野 裕顕 秋田大学, 医学部, 助手 (90182807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 真通 秋田大学, 医学部, 助手 (10270844)
蛇口 達造 秋田大学, 医学部, 講師 (00124644)
加藤 哲夫 秋田大学, 医学部, 教授 (20004963)
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Keywords | 人工子宮 / 胎児治療 / ECMO / 子宮外胎児保育 |
Research Abstract |
羊胎仔を用い、人工子宮内保育及び人工子宮からの離脱を行い、ドップラーエコーによる循環動態と血液ガスの変化を検討するとともに、肺の組織病理学的変化についても検討を加えた。 【方法】胎令125〜140日の羊胎仔に対し、頸動静脈を介し、膜型肺を用いたV-A ECMOを施行、臍帯を遮断後、胎仔を人口羊水槽へ移し、6〜24時間保育したその後、胎仔に気管内挿管、人工呼吸管理を施行し、人工子宮からの離脱の可能性を検討したのち、胎仔を犠死させた。なお同腹の非人工子宮内保育胎仔を対照とした。肺は気管とともにen blockに取り出し、気管より20cmH_2O圧で20%ホルマリンを注入固定後、HE染色を行い、肺の組織病理学的変化について検討した。【結果】1.人工子宮内保育時の循環動態は安定しており、胎児は人工子宮内で活発な体動を示し、呼吸様運動、嚥下様運動を認めた。胎令130日以上の羊胎仔では肺呼吸後、PaO_2の上昇、新生児循環の適応を認め、人工子宮からの離脱は容易であったが、胎令130日未満の羊胎仔では、PaO_2は充分上昇せず、胎児循環遺残へと移行しやすく、早期のECOMからの離脱は困難であった。2.末梢気腔の肺組織像は人工子宮内保育と対照例との間に有為な差はなく、明らかな出血、無気肺、感染、肺硝子膜症などの所見は認めなかった。【まとめ】頸動静脈を用いたV-A ECOMにより安定した人工子宮内保育が得られ、人工子宮からの離脱も可能であった。。人工子宮内胎児保育においては、出血、MAS,肺サーファクタント欠乏などを生じることが危惧されたが、肺の組織病理ではこれらの所見は認められなかった。今後は長期人工子宮内保育による肺の傷害の有無に加え、肺の発育、成熟に関する検討が必要と思われた。
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Research Products
(1 results)