1997 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄電気刺激による頸髄後角ニューロンの応答について
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08672141
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
松本 茂二 日本歯科大学, 歯学部, 教授 (90115072)
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Keywords | 頸髄後角ニューロン / 歯髄刺激 / 開口反射 / ラット / 迷走神経刺激 / 条件刺激-試験刺激間隔 / 興奮性アミノ酸 / NMDA受容器 |
Research Abstract |
今年度は迷走神経電気刺激後の歯髄電気刺激によるC_1ニューロン応答の変調をさらに検討した。迷走神経の条件刺激-試験刺激間隔(C-T interval)を20-150mecに変化させて調べた。C-T intervalが短い場合(20-80msec)では多くの例で興奮反応が観察され、歯髄電気刺激によるC_1ニューロンの興奮がその反応の中にマスクされてしまうことが判った。一方、C-T intervalが100-150msecと長い場合は歯髄電気刺激によるC_1ニューロンの興奮が抑制、無効果或いは増強と様々な反応が得られた。従って、CT intervalが長い時には、迷走神経刺激によって内因性の疼痛抑制系が賦活されるとは云い難い。しかし、迷走神経の求心路がC_1ニューロンを興奮させることが判明したがその中枢内伝達様式については解明していない。この様に同じC_1ニューロンに三叉神経と迷走神経の求心路が終止していることから、関連痛としてC_1ニューロンの受容野に投射している可能性も考えられる。歯髄電気刺激に応答するC_1ニューロンが果して興奮性アミノ酸を伝達物質としてNMDA(N-methyl-D-asparticacid)receptorを介して興奮するのか否かを調べる目的で、マルチバレルの電極を用いて電気泳動的にNMDA receptorの拮抗剤であるMK80-1を近傍に局所投与した。歯髄電気刺激によるC_1ニューロンのスパイクの増加は抑制された。この抑制の度合は電気誘導の電流値を増加させると著明となった。
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