1998 Fiscal Year Annual Research Report
乳歯歯髄の免疫機構および象牙牙細胞と歯髄細胞の増殖能に関する免疫組織化学的検討
Project/Area Number |
08672376
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井口 亨 九州大学, 歯学部, 助手 (00243949)
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Keywords | 乳歯歯髄 / 生治断髄 / AgNOR / PCNA |
Research Abstract |
(目的) 乳歯生活断髄後の歯髄組織の歯髄細胞の分化・増殖と合成能について、免疫組織化学的検討を行った。 (材料と方法) 実験は、生後1〜2カ月の幼若雑種犬で、全身麻痺を施し、下顎両側乳犬歯に通法とおり生活断髄処置をおこなった。術後1時間、1.5時間、3時間、6時間、12時間、1日、3日、7日に抜歯した。 直ちに硬組織から歯髄を取り出し、固定後通法とおりパラフィン標本を作製した。 標本を薄切後、抗PCNA免疫染色とAgNOR染色を行った。活性断髄後の残存している生活歯髄組織を表層より3等分し(浅部・中央部・根尖部)、各々の部位の歯髄細胞の染色態度について組織学的に検討を行った。 (結果)PCNA免疫染色 術後3日で生活歯髄浅部では、限局性に陽性歯髄細胞がみられた。中央部には血管周囲で軽度に陽性歯髄細胞みられた。術後7日では、生活歯髄浅部に散在性に陽性歯髄細胞がみられ、中央部において軽度散在性にみられた。 AgNOR染色 術後6時間で生活歯髄浅部に核内にNOR粒子がみられる歯髄細胞(以下AgNOR陽性細胞)が軽度にみられた。 術後12時間から術後1日では、AgNOR陽性歯髄細胞がより顕著にみられた。 術後3日から7日では、生活歯髄浅部から中央部にかけてAgNOR陽性歯髄細胞が散在性に強くみられ、生活歯髄根尖部においても軽度に陽性細胞がみらえる標本もあった。 以上の結果から生活歯髄後の組織修復に関与するなかで、歯髄細胞は高い分化・増殖と合成能を有する事が示唆された。現在、統計学的処理後、研究結果についての総括の段階である。
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