1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08672591
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
高橋 洋一 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (20103492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田野 啓子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (30257365)
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Keywords | 在宅療養阻害因子 / 退院時評価 / 神経系慢性疾患 / 脳卒中後遺症 / ADL / 社会的因子 / 介護者因子 |
Research Abstract |
[研究目的]神経疾患患者の慢性期における療養方法の選択に際しての患者評価表を試作し、各種神経疾患患者における在宅療養阻害因子の特徴について既に報告した。引き続き(1)脳卒中後遺症患者における阻害因子の特徴(2)在宅療養破錠例における検討(3)高齢患者における阻害因子の特徴、を検討した。[対象]退院時に阻害因子の評価ができた神経疾患79例[方法]在宅療養の可否を判断するための評価基準(臨床症状、ADL、社会的因子、介護者因子からなる計35項目の阻害因子を各々在宅療養に有利な状況から不利な状況まで4段階に評価する方法)を用いて阻害因子を評価した。[結果、考察](1):脳卒中後遺症患者では社会的因子、介護者因子において状況が劣悪(評価点数が低値)であった。特に疾患の受容度、目的意識、介護者の疾患理解度、意欲などで低値であった。在宅可能群と不可能群の間の比較では、ADLの因子(特に食事、排泄、整容、着衣動作)で在宅不可群で低値であった。これらは脳卒中が急性発症であることによると推測された。脳卒中以外の神経疾患群では、膀胱直腸障害、合併症、整容動作、着衣動作の他、社会的因子、介護者因子で在宅不可群で低値で、排泄動作、食事動作では有意な差はなかった。排泄動作や食事動作は、拙劣であっても動作自体が可能であれば阻害因子とはなりにくいことを示唆しているとおもわれた。(2):在宅療養の継続が不可能であった例の多くは気道感染などによる経口摂取障害、脱水、意識障害などに起因していた。在宅療養の継続維持には、症状の変化にすばやく対応できる地域家庭医の協力が不可欠である。(3):ADLではすべての因子で65歳以下の在宅不可群で低値であったが66歳以上では可能、不可能間で有意差はなかった。社会的因子、介護者因子ではほとんどすべての因子で、66歳以上で在宅不可群で低値であったが、65歳以下では有意な差はなかった。
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Research Products
(1 results)