1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08680005
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
大塚 惠 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (20175243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 信彦 お茶の水女子大学, 生活科学部, 教授 (40017223)
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Keywords | 水溶性食物繊維 / ペクチン / 脂肪代替 / コレステロール |
Research Abstract |
油脂類は、過剰に摂取することで肥満、さらに、循環器系疾患の増加へとつながるため、脂肪を低減し、かつ、加工食品の美味しさをもつ脂肪代替物の開発がすすめられている。本研究では、水溶性食物繊維である特殊ペクチンの脂肪代替効果と脂質代謝への影響を調べることを目的とした。実験動物には雄ラット(Sprague-Dawley)を用い、コレステロール1%添加の基本飼料にペクチンを混合した特殊飼料にて飼育を行った。ペクチンは、脂肪代替用ペクチン(SLENDID)およびメチル化度の高いHMペクチン(YM-100/メチル化度72)を用い、各々7.5%および6.0%の割合で混合した。4週間の飼育終了後ネンプタール麻酔のもとに解剖を行い、血液、組織を摘出し、血清中のトリグリセリドおよびコレステロール、肝臓中のコレステロールの測定を行なった。対照群には、コレステロール1%添加の基本飼料を用いた。飼育期間中は摂食量を週2回、体重を週1回記録した。この結果、飼育期間中の摂食量および体重はいずれの群においても、対照群と有意な差はなかった。また、脂肪代替用ペクチンについては対照群に比べて顕著な血清コレステロールおよびトリグリセリドの低下は認められなかったのに対して、メチル化度の高いペクチンにおいては有意に血清コレステロールおよびトリグリセリドが低下した。このことから、脂肪代替用のペクチンはコレステロール代謝には影響を及ぼさない可能性が示唆された。
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