1997 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性糖尿病マウスにおけるマグネシウム負荷食による子宮筋異常収縮の改善効果の検討
Project/Area Number |
08680050
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Research Institution | Nakamura Gakuen University |
Principal Investigator |
青峰 正裕 中村学園大学, 家政学部, 教授 (60091261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和 孝子 中村学園大学, 家政学部, 助手 (70271434)
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Keywords | マグネシウム負荷 / 糖尿病 / マウス / 子宮筋 / 収縮 / オキシトシン |
Research Abstract |
初年度はマグネシウム(Mg)を負荷しない場合の基礎的データを得た。まず、健常マウスと糖尿病マウスを、Mgを負荷しない食餌を与えた場合(N群)と、それにトレーニングを加えた場合(T群)、トレーニングに加えて食餌を制限した場合(TD群)に分け、それらの摘出子宮筋自発収縮のMgイオン感受性を調べた。健常マウスとしてC57/BL(以下C57)、自然発症型糖尿病マウスとしてKK/Ta(以下KK)を使用した。C57とKKにおいてN群よりT群、T群よりTD群で収縮の振幅、頻度ともにMgによるIC50は高濃度側に移行した。このIC50が高濃度側に移行することは、子宮筋のMgイオン感受性の低下を意味する。C57とKK両群ともにトレーニングのみより、食餌制限を加えることでIC50は高濃度側に移行し、その程度はC57よりKKの方が大であった。つまり糖尿病マウスの方が食餌制限の影響が大きいことが示された。 次年度はMgを負荷したマウスにおける子宮筋収縮に対してMgの抑制作用がどのように変化するかを検討した。Mg負荷したKKでは、血清のMg濃度はMg負荷した対照のC57と比べ有意に増加したが、子宮筋のMg濃度はC57と変わらなかった。Mg負荷をしない場合、子宮筋の外液Mgに対する感受性は、KKで有意に高くなった。しかし、Mg負荷によりその差が消失したことから、組織Mg濃度と収縮力との関連性が強く示唆される。オキシトシン拘縮において、Mg負荷は拘縮の振幅を抑制し、その最大値への時間を短縮した。これらのことより、Mgがオキシトシンとその受容体との親和性、および受容体数等に対して、何らかの影響を及ぼしている可能性が強く示唆された。
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