1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08680061
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
灘本 知憲 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (60149523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦部 貴美子 滋賀県立大学, 人間文化学部, 助手 (50099496)
川村 正純 滋賀県立大学, 看護短期大学部, 教授 (10074048)
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Keywords | 野草 / 防臭 / 消臭作用 / メチルメルカプタン / 抗菌作用 |
Research Abstract |
1. 新しい抗菌性試験系として濁度測定法の検討 天然物の抗菌効果を測定するための簡便な方法を検討した。Proteus milabilus(メチルメルカプタンを産生する主要な菌)の生菌数が1.1×10^72.5×10^8 cells/mlの範囲では、生菌数とブイヨン培地での濁度との間に有意な相関が得られ、濁度測定法によりP. milabilusの生育度を測定することが可能となった。次に、天然物の抗菌力測定への本濁度法の適用を検討し、(1)粗抽出物では、着色の影響を受けるため適用することはできない(2)精製段階の進んだ試料では、濁度測定法の適用が可能である、という結果を得た。 2. 野草の抗菌力測定(最小阻止濃度の算出) 数種の野草について、濁度法と混釈平板培養法を組み合わせることによりP.milabilusに対する最小阻止濃度(MIC)を求めた。その中で、タンポポのMICは5%、セイタカアワダチソウのMICは20%となり、比較的低いMICを示し、高い抗菌活性を有することが明らかになった。 3. 有効成分の分離精製と同定 検索した植物の中から、特に大きい消臭効果を認めたタンポポについてメチルメルカプタンに対する消臭活性成分を分離するため、溶媒抽出、分配、吸着カラムクロマトグラフィーを順次行った。その結果、消臭活性を有する3成分を分離することができた。しかし同定には至らなかった。 引続き、消臭作用については活性成分の同定と作用機構の解明、抗菌作用については有効成分の分離へと進んでいるところである。
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