1997 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀後半におけるMaxwell電磁理論の確立過程に関する研究
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08680082
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Research Institution | Osaka Women's Junior College |
Principal Investigator |
岡本 正志 大阪女子短期大学, 児童教育科, 教授 (70149558)
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Keywords | 電磁気学 / 19世紀科学史 / マクスウェル / 物理学史 / Sir O.Lodge / O.Heaviside / 電磁波 |
Research Abstract |
本研究は,Maxwell電磁理論の確立過程を分析することによって,科学理論が科学者社会の中でどのように確立してゆくか,確立されつつある理論が社会的にどう取り扱われるのかについて明らかにしようとするものである。 96年度の調査により,マクスウェル理論の確立に際してO.Lodgeが大いに貢献していたことを明らかにできたが,97年度はそれに引き続いて,O.LodgeとO.HeavisideやH.Hertzらとの関連を中心にして,J.C.MaxwellからH.Hertzに至るマクスウェリアンの活動を調査した。この調査の結果,現在,電磁気学史上Heavisideは欠くことのできぬ科学者としての位置を占めているが,このHeavisideを見いだし,科学者社会の中に積極的に紹介したのがLodgeであったこと,Lodgeの実験ノートからみて,彼の電磁波検出実験はH.Hertzとほぼ同様な地点にまで到達していたこと,などを資料的にも確認することができた。 また,Lodge資料の中から,Lodgeと交流した日本人の存在が明らかになり,それが旧制七高物理学教授村上春太郎であったことが判明した。村上春太郎は,わが国の物理学史上まったく無名であったが,調査の結果,流体力学や月の摂動論などの研究において当時としては国際的なレベルの研究を行っていたことが判明した。本研究の主目的からは外れるが思わぬ副産物の発見で,日本物理学史や日本中等物理教育への新たな資料を追加できることになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 岡本正志: "英国におけるO.Lodge資料について" 徳島科学史雑誌. No.16. 59-63 (1997)
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[Publications] 岡本正志: "電磁気学確立期におけるSir O.LodgeとO.Heaviside" 大阪女子短期大学紀要. No.22. 81-89 (1997)
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[Publications] 岡本正志: "ドイツ科学史の旅-ヘルツ,ケプラー,シ-ボルト" 近畿の物理. (印刷中)No.3. (1998)