1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08680095
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古屋 かおる 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (10209190)
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Keywords | 骨格筋単一線維 / 強縮張力 / 収縮加重 |
Research Abstract |
骨格筋の強縮は単収縮の加重によって起こり、ParmiggianiとStein(1979)はこの加重反応が非線型的であることを神経筋モデルで示した。本研究では,これが骨格筋自体の収縮の特性であるかを調べるために、カエル単一筋線維を用いて収縮加重実験を行い、強縮中の個々のパルスによる張力発揮への寄与を求め比較した。アカガエル半腱様筋または前脛骨筋より単一筋線維標本を作成し、Ringer液中で0.5〜2ms幅の正逆矩形波により電気刺激を与えた。発揮張力は、半導体超微小トランスデューサにより検出し、直流アンプで増幅後、記録器で監視するとともにA/D変換してコンピュータに取り込み解析処理した。収縮加重実験は単収縮における至適長Loで行った。予備収縮の後、標本に1〜n回の刺激パルスを与え、張力曲線を記録した。コンピュータにより、n回のパルスによる張力曲線から(n-1)回のパルスによる張力曲線を減算してn回目パルスの張力発揮効果を求めた。その結果、刺激頻度の高い収縮においては、先行研究における神経筋モデルの結果と同様に第2パルス以降による張力発揮は単収縮より立上がりにおけるdepressionが大きく、延長した。収縮後半の張力増大facillitationは第3〜第4パルスで最も大きくその後低下する傾向が認められた。収縮加重の非線型性は単一筋線維においても認められる筋の収縮に固有の特性と考えられる。強縮張力の大きさは特にこの収縮初期のこの加重パターンによって変化し、またこのパターンは温度、筋長の影響を受けた。
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