1998 Fiscal Year Annual Research Report
運動中の動脈血圧はなぜあがるのか-筋の機械受容器反射による調節-
Project/Area Number |
08680117
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Research Institution | Graduate School of Human Culture, Nara Women's University |
Principal Investigator |
定本 朋子 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助教授 (30201528)
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Keywords | 負荷変化 / 予測 / 教示内容 / 心拍数 / 動脈血圧 |
Research Abstract |
運動負荷の急激な変化に対する循環応答について検討することを目的に,一定負荷の自転車駆動から急激に負荷が上昇する場合(Up)と同じく一定負荷の自転車駆動から急激に負荷が低下する場合(DOWN)の2条件を設定し,各条件において,筋にかかる急激な機械的刺激を予め準備している場合と全く準備していない場合について,負荷変化に対する循環応答の相違について調べた.15名の健康な被験者がUP条件とDOWN条件を,負荷変化に対する教示のある場合と無い場合について4回の実験をランダム順に繰り返した.その実験中には,動脈平均血圧,心拍間隔,毎分換気量,酸素摂取量,自転車回転数,脚筋踏み込み力,脚酸化ヘモグロビン,前腕皮膚血流量を測定した.その結果,負荷変化前についてみると,UP条件もDOWN条件も、負荷に関する教示がある場合には,教示のない場合に比べ,負可変化前30-60秒におけるHRとMAPが上昇した.このようなHRとMAPの増加量が教示内容に対応しているかどうかについてみると,必ずしも教示内容の相違が反映された応答とはいえなかった.荷変化直後(0-2min)におけるMAPの変化には,教示条件間の相違がみられていた.教示と実際の負荷が一致した場合には,負荷変化後の応答が速やかであった.一方,教示のない場合や逆の教示が与えられた場合には,負荷変化に対する応答が遅くなった.
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