ルミネッセンスを利用した新しい手法による第四系堆積物の年代測定

1996 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 08680188
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
• Research Institution: Nara University of Education
• Principal Investigator: 長友 恒人 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (80031582)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 高田 将志 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (60273827) ; 平賀 章三 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (10031593)
• Keywords: 年代測定 / ルミネッセンス / 石英粒子 / 長石粒子 / 微粒子 / 堆積物 / 赤外光 / 可視光

Research Abstract

光ルミネッセンス(OSL)法による測定条件を決定するために、鉱物標準試料(石英・長石)の粗粒子試料および湖底堆積物の微粒子試料を用いて
1.光ブリーチング(タイムゼロイング)のチェック、2.発光強度の温度の依存性、3.発光強度の励起波長依存性、4.OSL測定後の熱ルミネッセンス(TL)強度変化
をテストした。その結果、
1.180秒間太陽光(6000Lx)に露光した場合で約25%までブリーチされる、2.高温の方が発光強度が強いが、再現性が悪くなる、3.可視光(514nm)より赤外光(880nm)の方が発光強度が強い、4.OSL測定後のTL強度はOSL励起波長に依存する、ことが分かった。また、石英は従来の説と異なり、可視光でも励起されることが分かった。
以上の予備実験から、年代測定への応用法としては、同一試料を用いて赤外光励起によるOSL年代測定とTL年代測定の2つの測定法が可能であることが分かった。
湖底堆積物の微粒子試料のOSLで年代測定を試みたが、合理的な年代値を得ることは現在のところできていない。これは、低線量領域でのOSL強度の線量依存性がリニアではないことによるが、より詳細に線量依存性を確認することにより可能になると期待される。