1998 Fiscal Year Annual Research Report
任意形状を有する岩盤ブロックからなる岩盤斜面の崩壊メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
08680492
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Research Institution | OHTA NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
相川 明 大分工業高等専門学校, 土木工学科, 助教授 (40192827)
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Keywords | 不連続性岩盤斜面 / 傾斜台模型実験 / 遠心載荷模型実験 / 不連続変形法(DDA) / 転倒破壊(トップリング) / すべり破壊 / 形状評価 / スペクトル解析 |
Research Abstract |
本研究は,不連続性岩盤斜面を多角形の剛体ブロックの集合体とし,エネルギーを消費しうる不連続面の総量に着目して,不連続面の密度(頻度)の大小,すなわち,ブロックの相対的寸法の大小が,力の伝達機構に与える影響を定量的に調べるものである。前年度の問題点を再検討し,特に崩壊初期でのブロックの相互関連性と破壊進行時のブロックの挙動に着目して模型実験と不連続変形法解析を行った。新たに数種の形状・寸法の異なる模型ブロックを精密加工し,質量・形状・寸法を測定し数値化した。そのうえで,岩盤模型中の1個のブロックに微小変位を与え,ブロックの相互影響性を実験的および解析的に求めた。 面の粗さが同じ場合でも,ブロックの相対的寸法の差異により影響性が大きく異なった。大きいブロックでは境界の影響が内部まで及び,角が引っかって,点を介して応力が伝達されるため,その点に応力集中が発生し局所的な破壊が誘発された。ダイレーションも一部に集中して生じた。一方,小さいブロックでは角が引っかかることなく,応力が面を介して伝達され,広範囲に連続的に力が伝達された。また,変形に対する追従性も大きく,ダイレーションも一部に集中することなく全体的に生じ,破壊が広範囲に少しずつ分散され,結果的に多くのエネルギーを吸収しうることが明かとなった。不連続面の密度が小さくなるほど不連続面の総量が相対的に増えることから,荷重が広い範囲に分散され,結果的に不連続面にて多くのエネルギーを消費しうることが解明できた。 従来の研究では,面の粗さと不連続面の頻度とを統一的に扱えなかったが,本研究の成果を踏まえることにより,面で消費される力の大きさを定量的に把握でき,面の粗さと亀裂の頻度とを統一的に扱うことが可能となる。
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