1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08680549
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
河村 哲也 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (40143383)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 農 鳥取大学, 工学部, 教授 (00093063)
佐藤 浩史 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (10017197)
|
Keywords | 環境問題 / 砂丘移動現象 / 数値シミュレーション / 植生の効果 / コンピュータグラフィクス / 乾燥地 / 数値流体力学 / 実験流体力学 |
Research Abstract |
砂丘移動現象の解明と植生利用による制御に関する研究に対して平成8年度には(1)基本的な計算手法の確立、(2)コンピューターグラフィックス利用による流れの可視化、(3)実験による基礎データの収集、のそれぞれに対して以下のような成果があった。 (1)に対して、研究代表者(河村)は(a)砂丘上を吹く風による流れ場の計算、(b)風によって砂面上に働く摩擦応力の計算および砂の輸送量の見積もり、(c)砂の輸送に伴う砂面形状の変化の計算、という3段階にわけて基本的な計算手法の確立を行なった。研究の第一段階として、(a)に対して、流れに2次元性を仮定して、二等辺三角形の砂丘形状のまわりの流れ場の計算を流れ関数-過渡法を用いて行なった。そのとき植生の影響も流れ場に対する抵抗という形で取り入れた。(b)については、摩擦応力と輸送量に関する実験データがまだ利用できなかったため、簡単な理論考察から得られる関係式で代用した。(c)に対しては、砂の安息角の影響も取り入れた。結果として得られた2次元解析用のプログラムを用いてテスト計算を行ない、砂丘形状の移動に及ぼす影響や植生の位置や大きさが移動に及ぼす影響に対してある程度の知見が得られたので関連学会でその成果を発表した。 (2)に対しては分担者(佐藤)は代表者と協力して、流れ場や砂丘の移動速度の差異を静画や動画を用いて効果的に可視化する手法の検討を行ない、実際にアニメーションを作成した。 (3)に対しては分担者(林)は、鳥取大学乾燥地研究センターに既存の簡易風洞を本研究に用いることが可能であるかの調査を行なった。そして風洞内の砂の供給方法などについて種々の検討を行ない、今後のデータ収集に対してある程度の見通しを得た。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] 河村哲也: "計算流体力学の環境問題への応用" 京都大学数理解析研究所講究録. 974. 208-215 (1996)
-
[Publications] 原薗芳信・吉本真由美・河村哲也: "大気-植生-土壌系モデルによるダイズ群落の光合成速度分布と光合成効率の解析" 農業気象(J.Agric.Meteorol.). 52・4. 281-291 (1996)
-
[Publications] T.Kawamura,S.Wang,H.Takami: "Numerical Simulation of Sand Transfer Caused by Fluid Flow" Proceedings of Second Asia Workshop on Computational Fluid Dynamics. 199-202 (1996)
-
[Publications] 河村哲也,神近牧男,吉本真由美,原薗芳信: "大気-植生-土壌系モデルによる数値実験" 鳥取大学乾燥地研究センター共同研究発表会講演要旨集. 58-61 (1996)
-
[Publications] 河村哲也,菅牧子,小柴誠子: "種々の形状をもった熱源による熱対流の数値シミュレーション" 第10回数値流体力学シンポジウム講演論文集. 300-301 (1996)
-
[Publications] 林農,河村哲也: "傾斜円柱周りの流れ" 第28回乱流シンポジウム講演論文集. 29-30 (1996)
-
[Publications] 河村哲也: "流体解析I" 朝倉書店, 172 (1996)
-
[Publications] 河村哲也: "キ-ポイント 偏微分方程式" 岩波書店, 197 (1997)