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1997 Fiscal Year Annual Research Report

塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)の核内移行についての機能形態学的解析

Research Project

Project/Area Number 08680820
Research InstitutionEhime University

Principal Investigator

松田 正司  愛媛大学, 医学部, 教授 (40173843)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 阪中 雅広  愛媛大学, 医学部, 教授 (60170601)
Keywords塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF) / 核内移行 / 神経回路形成 / 小脳 / 再生肝 / 筋芽細胞 / 細胞分裂 / FGFレセプター
Research Abstract

本研究は、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)の核内移行について以下の三系を用いて研究した。
1、発生期の小脳プルキンエ細胞を用いた研究。
bFGFに対する特異抗体を用いて発生期の小脳プルキンエ細胞内bFGFの局在を調べたところ、核にbFGF陽性反応を示すプリキンエ細胞の比率は生後3週の90%をピークに、その後は減少し、生後12週では5%となった。小脳プリキンエ細胞の標的細胞である小脳核神経細胞上にbFGF陽性終末が見られ始めたのは、生後3週からであった。
2、再生肝でbFGF
再生肝でのbFGF陽性細胞の増減は、細胞分裂のマーカーであるPCNA陽性細胞の増減と一致した。bFGFは肝実質細胞の核に強く認められ、核分画のイムノブロットから、核移行bFGFは高分子型bFGFであることが判明した。肝実質細胞以外にも内皮細胞の核及び細胞質に強いbFGF陽性反応が認められた。
3、筋芽細胞を用いた研究。
鶏胚においてbFGFが幼弱な筋芽細胞に多く含まれていることが判明した。幼弱な筋芽細胞が分化した筋細胞に混在する4週齢のdystrophic mdxマウスの咬筋を用いてbFGFと筋細胞分化との関係を検討した。咬筋組織内にはbFGF陽性反応を示す幼弱な小細胞が小塊をなし多数存在していた。電顕で観察すると、細胞内の筋原線維が増加し、細胞が成長するにつれてbFGF免疫反応強度は減少し、その結果、中型及び成熟筋細胞には、bFGF免疫染色はほとんど見られなくなった。核内のbFGF陽性反応も小型の細胞にのみ観察された。
bFGF及びbFGFの阻害剤であるplatelet factor 4(PF4)を用いてbFGFが筋芽細胞の増殖や分化にどのような作用を及ぼすかを培養系で検討した。その結果PF4は用量に依存して筋芽細胞の分裂・増殖を有意に抑制することが分かった。一方、bFGFは用量に依存して有意に筋芽細胞の分裂と筋線維への分化を促進した。筋芽細胞の膜成分を用いたBIAcoreシステムでの実験では、PF4は用量依存的にbFGFと筋芽細胞の膜成分の結合を阻害することが判明した。
以上のようにbFGFは多くの細胞系で細胞質のみならず核にも分布し細胞分裂と増殖の両方に強く関与している可能性が示唆された。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] F.Kushihata et al.: "Expression of basic fibroblast growth factor-like immunoreactivity in the nuclei of regenerating hepatocytes." Cell and Tissue Research. 288. 517-527 (1997)

  • [Publications] H.Peng et al.: "Suppression by platelet factor 4 of the myogenic activity of basic fibroblast grwth factor." Archves Histol Cytol. 60. 163-174 (1997)

URL: 

Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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