1996 Fiscal Year Annual Research Report
ロボットによる製品の分解システムの構築に関する基礎的研究
Project/Area Number |
08750300
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関 啓明 東京大学, 工学系研究科, 助手 (20270887)
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Keywords | ロボットアーム / 分解システム / 拘束 / 接触状態 / センシング |
Research Abstract |
ロボットアームを用いて家電製品などの工業製品を分解・解体するための実用的な技術およびシステムを構築することを研究目的として、特に、組み立てられた部品同士の拘束の基礎的なセンシング・マニピューレーション技術について研究を行った。 まず、製品に多く見られる部品同士の3次元の拘束の種類を整理した。ねじによる締結が多いが、基本的には画像によりねじを発見し、力センサ等でねじの運動方向を検出、外した後、部品同士の拘束を検出しては動く方向に動かしていくことで分解動作を行っていくという見通しを得た。 ねじや止め具を外していく各過程の前後で、部品の拘束状態を検出することが重要である。そのために動く方向を調べる探り動作をロボットアームに行わせた。力覚センサ付の2指のハンドを製作し5自由度アームに装備して実験を行った。ロボットアームにはインピーダンス制御を適用し、柔らかく部品を把持していろいろな方向に力を加え、そのときの手先の力や変位のパターンを調べるというアドホックな方法により部品がその方向に動くか動かないかが検出できた。探り動作の高速化のために、円状に手先を動かすなどの工夫も行った。分解動作は、拘束を検出する各段階で、動く方向が見つかり次第その方向に動かすという単純なアルゴリズムを構成した。 実験の結果、動かせる方向がある単純な拘束からなる部品同士は、単純なアルゴリズムで分解できることが分かった。つめをはずすなどのような複雑な分解動作についてはさらに研究が必要である。また、ロボットにとって分解しやすいような部品同士の拘束の設計も課題である。
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