1996 Fiscal Year Annual Research Report
電界放出微小エミッタの新しい電子ビーム収束機構に関する研究
Project/Area Number |
08750397
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
澤田 和明 静岡大学, 電子工学研究所, 助手 (40235461)
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Keywords | 電界放出エミッタ / 真空マイクロエレクトロニクス / ポリシリコン / ボルカナ型エミッタ / 収束電極 |
Research Abstract |
エミッタ先端の電界を弱めることなしに電子を収束できる新しい電界放出微小エミッタの構造を提案した.本研究で提案するエミッタはゲート電極の同心円状に線状に配置し,またエミッタの外側に同心円上に収束電極を製作した構造を持っており,その形状からボルカノ型エミッタと名付けた.ボルカノ型エミッタから放出される電子は中心のゲート電極に向かって放出され,クロスオーバーして発散すると考えられ,収束電極に正電位を印加するとゲート電極に引っ張られて放出していた電子の軌道を偏向することができ,クロスオーバーの点をアノード点にコントロールすることが可能であると考えた.まずボルカノ型電界放出エミッタの製作プロセスの確立を行った.作製プロセスとして最も重要なところが,エミッタ電極となるポリシリコンの堆積条件であった.まず円状のマスクの下にはポリシリコン膜が少量回り込みような条件の抽出を行った.その結果,先端の膜厚およびエミッタの形状が最適となる条件を見つけることができた.このようにして製作したエミッタを用いて電界放出の実験を行ったところ,ゲート電圧35V程度から電子の放出が確認され,約50Vで10nAの放出電流が確認できた.このとき使用したエミッタの数は1個であった.次に収束電極をボルカノ型電界放出微小エミッタに配置した構造の有限要素法を用いてシミュレーションを行った.その結果,収束電極の位置は,ポリシリコンエミッタと同一の高さにすると,制御性良く収束することがわかった.
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Research Products
(1 results)