1996 Fiscal Year Annual Research Report
2自由度サンプル値制御系における量子化誤差の影響の解析
Project/Area Number |
08750511
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
大久保 慶治 信州大学, 工学部, 助教授 (30262695)
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Keywords | 量子化誤差 / サンプル値システム / ディジタル制御 / 制御系 / フィードバック / ディジタルフィルタ / 最適構造 / 2自由度制御系 |
Research Abstract |
ディジタル制御においては,連続時間の制御対象の出力をディジタル補償器内で取り扱われる量に変換するためにはA/D変換器が必要となり,ディジタル補償器で算出した操作量を連続時間の制御対象に与えるにはD/A変換器が用いられる。このような変換器はビット数が有限であり,変換誤差すなわち量子化誤差が発生する。制御性能を高めるには,ビット数の多いA/D・D/A変換器を用いればよいのであるが,コストおよび変換時間の観点からはできるだけ少ないビット数のものが望まれる。しかし,過度に少ないビット数のA/D・D/A変換器を用いると制御性能は悪化し,制御系が不安定になることも起こりうる。そこで,量子化誤差が制御系に及ぼす影響についてあらかじめ解析することができればA/D・D/A変換器の選定に試行錯誤的なプロセスが省かれることになる。状態フィードバックおよびサーボ系においてA/D・D/A変換器の量子化誤差の解析の研究は紹介されている。 本年度は、次の知見を得ることができた。 1.より一般的なディジタル制御系における量子化誤差の影響の解析を行い、制御対象のパラメータと量子化誤差の及ぼす影響を定量的に明らかにした。また、この結果をハードディスク装置に適用し、シミュレーションによってその有効性を検討した。 2.さらに、制御器の演算量子化誤差の及ぼす影響を解析し、最適な構造を明らかにする前段階として、問題を簡単化してディジタルフィルタを対象にその有色雑音入力に対する最適構造を明らかにした。 現在、研究の有効性を検証するために3慣性系の実験装置を手配し終えたところである。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 片山貴博,西沢稔,大久保慶治: "一般的な有色雑音に対するディジタルフィルタの量子化誤差を考慮した最適構造" 計測自動制御学会第8回信州地区計測制御研究会. 17-20 (1996)
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[Publications] K.Ohkubo,Y.Yagishita,and T.Katayama: "An Analysis of Quantization Errors in Digital Control Systems and Its Applications to a Hard Disk Drive" IEEE International Conference on Industrial Technology (ICIT'96). 61-65 (1996)
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[Publications] 片山貴博,中村兼崇,大久保慶治: "有色雑音に対するディジタルフィルタの量子化誤差を考慮した最適構造" 計測自動制御学会第7回信州地区計測制御研究会. 42-45 (1996)