1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08750936
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
居城 邦治 北海道大学, 電子科学研究所, 講師 (90221762)
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / 分子認識 / 核酸塩基 / 水素結合 / 走査型化学力顕微鏡 / 自己組織膜 |
Research Abstract |
本研究では、DNAの1分子内の塩基配列を調べるために、AFMのプローブ(探針)の先端を塩基対と結合するよう化学修飾して、特異的な水素結合を調べられるような走査型化学力顕微鏡(SCM)を開発することを目的とした。ここでは走査型化学力顕微鏡(SCM)の動作確認を単純化した系で行った。基板表面およびAFMのプローブ表面が親水的もしくは疎水的の場合、プローブに動く力がどうなるのかをフォースカーブにより調べ、そのマッピングを試みた。 1.AFMのプローブをアルカンチオールで修飾するために、プローブ表面をクロム次いで金を蒸着装置にて被覆した。電子顕微鏡観察により10個に2個の割合でプローブ先端まで被覆されることがわかった。 2.金で被覆されたプローブをアルカンチオール溶液に浸し自己組織膜を形成させ、プローブ表面を疎水化した。 3.親水的な基板として劈開した雲母を用い、疎水的な基板としてポリスチレンキャストフィルムを用いた。裸の金表面を持つプローブでは親水性、疎水性基板ではフォースカーブに差はなかった。それに対して疎水化処理したプローブでは異なるフォースカーブを得られた。すなわち、疎水化プローブと疎水表面とは吸着力(化学力)は弱いのに対して、親水表面では強いことがわかった。 4.ポリスチレン微粒子(疎水性)が雲母基板上(親水性)で点在する試料を作製した。これを疎水化プローブで、256×256点で1ポイントごとにフォースカーブを測定し、トポグラフィーおよび吸着力のマッピングに成功した。ポリスチレン微粒子はトポ像では山のように見えるものの、吸着力が雲母表面に比べ弱いことから吸着力のマッピングでは低く見えた。 以上の結果より、プローブと基板表面間の特異的な化学力(吸着力)を測定することで、相補的な水素結合による化学種の検出、すなわちDNAの塩基配列の読み出しが可能であるとが示された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kuniharu Ijiro: "DNA monolayers complexed with amphiphilic intercalator at the air-water interface" Thin Solid Films. 284-285. 780-783 (1996)
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[Publications] Olaf Karthaus: "Ordered Self-Assembly of Nanosize Polystyrene Aggregates of Mica" Chemistry Letters. 1996. 821-822 (1996)
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[Publications] Masatsugu Shimomura: "Two-Dimensional DNA-Mimetic Molecular Organizations at the Air-Water Interface" Journal of American Chemical Society. 119. 2341-2342 (1996)