1996 Fiscal Year Annual Research Report
高次構造変化を利用した高分子液体のエレクトロレオロジー制御
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08751050
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
南川 慶二 徳島大学, 工学部, 助手 (70250959)
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Keywords | エレクトロレオロジー / ER効果 / ポリウレタン / 高次構造 / 高分子流体 / せん断粘度 |
Research Abstract |
1.芳香環を有するイソシアナ-トとポリエーテルとの付加により、分子内にハード及びソフトセグメントを持つポリエーテルウレタンを合成した。GPCおよびNMR法などを用いたキャラクタリゼーションの結果から反応条件を検討し、設計した分子を高収率で得る条件を決定した。 2.合成した試料について、0〜3kV/mmの電圧を印加して粘度測定および動的粘弾性測定を行った。各電場強度での粘度のせん断速度依存性を調べた結果、分子構造に依存した様々なER効果を観測した。例えば、ナフタレンジイソシアナ-トとポリプロピレングリコールから合成した試料では、両末端にナフタレン環を持つハード-ソフト-ハード型では電場下で粘度が増加する正のER効果、中央にナフタレン環をもち両端にポリエーテル鎖を持つソフト-ハード-ソフト型では電場下で粘度が減少する負のER効果を示すことが明らかになった。また、これらのER効果は低せん断速度領域で顕著に現れることが分かった。動的粘弾性測定では低角速度領域で電場による弾性率の変化が見られた。 3.電場による高次構造変化に関する詳細な解析を行うために、法線応力測定を行った。正のER効果を発現するウレタン流体では、電場によって法線応力が高せん断速度で増加したことから電場下でネットワークを形成していることが示唆された。また、NMR緩和測定で分子間相互作用の情報を得るための基礎的条件を検討した。 4.ウレタン系と並行して、解離基を持つビニル系モノマーなど、種々の新規モノマーの合成と重合を行った。本年度の研究では、得られた高分子のER効果の測定には至らなかったが、新規ER流体の合成法に関して有用な知見を得た。15EA05:以上に示したように、新規試料の調製、電場下でのレオロジー挙動の詳細な解析、誘起構造の推定、測定法の改良など、ER効果を用いたレオロジー制御のための基礎として有用な成果が得られた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Minagawa: "Electrorheologial positive and negative Response with polyuretrane:Part1.Positivs ER materials" Proc.of IUPAC 36th Int.Symp.on Macromolecules. 1025-1025 (1996)
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[Publications] N.Gohko: "Electrorheologial positive and negative response with polyuretrane:Part2.Negative ER materials" Proc.of IUPAC 36th Int.Symp.on Macromolecules. 1026-1026 (1996)
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[Publications] S.Masuda: "Microsopic acid dissosiation of poly(methacrylicacid alt-4-vinylpyridine)" Proc.of IUPAC 36th Int.Symp.on Macromolecules. 631-631 (1996)
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[Publications] T.Miyahara: "Polymerization and Complexation of methacryloylglycine." Proc.of IUPAC 36th Int.Symp.on Macromolecules. 632-632 (1996)