1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08760075
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
西村 克史 山梨大学, 工学部, 助手 (90242619)
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Keywords | 酵母 / タンパク質生産 / エリスリトール / 脱水素酵素 |
Research Abstract |
1)誘導発現プロモーターの検索 エリスリトール分解素活性が、NAD依存性であると仮定し、エリスリトールを基質、NADを補酵素とし活性染色を試みた。その結果、基質を加えたものにのみ一本の活性バンドが確認され、エリスリトール分解活性をもつ酵素はNAD依存性脱水素酵素であると考えられた。Lipomyces starkeyiをエリスリトールを炭素源として生育させた場合に見られた本酵素活性は、グルコースを炭素源とした場合には見られず、この活性はエリスリトールを資化する場合に誘導発現されることが分かった。従って、本酵素遺伝子の上流には、誘導発現プロモーターが存在すると考えられる。 2)エリスリトール脱水素酵素の精製と性質 L.starkeyiの粗酵素抽出液より、硫安分画、ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーを用いほぼ均一になるまで精製した。分子量はSDS-PAGEより約3万、ゲル濾過より約12万と見積もられ、本酵素はサブユニット分子量約3万の4量体であると推定された。酸化反応の基質特異性を調べた結果、グリセロールは、エリスリトールに対して約60%の反応性を示したが、その他の3糖、4糖、5糖、6糖は基質にならず、本酵素の基質特異性はかなり高いものであることが分かった。酸化反応のpH依存性を検討したところ、最適pHは10.5付近に存在することが分かった。また、エリスリトールとNADの見かけのKm値を測定した結果、エリスリトールに対しては約28mM、NADに対しては約0.14mMとなった。またこの段階の精製酵素の比活性は10U/mgであり、turn over数は5.6/sであった。本酵素をSDS-PAGEに供し、その後PVDF膜へブロッティングを行い、本酵素バンドを切り出しN末端のアミノ酸シーケンスを行った結果、21残基が明らかになった。
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