1996 Fiscal Year Annual Research Report
炎症時のヒト末梢血単球接着反応に伴うgp91-phox遺伝子発現誘導機構の解明
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08770159
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
鈴木 章一 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (40253695)
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Keywords | gp91-phox / 遺伝子発現 / 接着 / 単球 |
Research Abstract |
ヒトからのサンプルは、研究目的に使用する事に同意を得た後採取した。 1.ヒト末梢血単球の単離 パーコール密度勾配遠心法/磁気ビーズ法により高収率に高純度の無刺激状態の単球を得る方法の改良を試みたが、純度の高い単球を多数得ることは困難であった。 2.gp91-phox mRNA量増大の経時的変化と分解速度の測定。 プラスチックディシュに単球を蒔き培養し経時的にTotal RNAを単離し、^<32>P-dCTPを用いたノーザンブロット法にてgp91-phox mRNA量の経時変化を調べたところ、培養開始6時間後には既にgp91-phox mRNA量の増加が最大レベルに達している事が明らかとなった。次に、この誘導が遺伝子転写速度の増加によるのかmRNA分解速度の減少によるのかを調べるために、アクチノマイシンD/ノーザンブロット法によりgp91-phox mRNAの分解速度を測定したところ顕著な変化は認められ無かった事から、接着による本遺伝子のmRNA量の増大は、主に転写速度の増大によると考えられた。 3.接着によるgp91-phox遺伝子転写促進反応を司る転写調節領域および因子の解析。 gp91-phox遺伝子上流-50から-60の領域に本遺伝子の転写制御に重要な転写因子が結合するシスエレメントが存在する事を見い出していたので、ゲルシフトアッセイ法及びルシフェラーゼレポーター遺伝子導入法にて単球性細胞の接着前後の本領域の転写制御活性および転写因子の結合状態の変化を解析したところ、いずれのアッセイ系においても差が認められず、この領域がこの遺伝子発現誘導に直接関与しない事が示唆された。
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