1996 Fiscal Year Annual Research Report
SELEX法を用いた抗C型肝炎ウイルスアプタマ-のスクリーニング
Project/Area Number |
08770223
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Research Institution | Louis Pasteur Center For Medical Research |
Principal Investigator |
吉本 美和 (財)ルイ・パストゥール医学研究センター, 基礎研究部, 研究員 (90280677)
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Keywords | SELEX / RNA aptamer / in vitro evolution / RNA polymerase / HCV / NS5 |
Research Abstract |
HCVゲノムNS5b領域の産物はRNA依存RNAポリメラーゼ(RdRp)活性を有する。このRdRpはHCVの複製に必須であり、その遺伝子配列は比較的よく保存されている。一方、核酸を対象とした進化実験系の代表的なものとしてSELEX法が挙げられる。この場合対象となるのはtRNA様分子であり、RNA製剤のリ-ド化合物のスクリーニングに応用できる。本研究では、バキュロウイルスの系で発現させたRdRpをターゲットとしたSELEX法を行い、RNAアプタマ-のスクリーニングを試みた。 まず20〜30merのオリゴヌクレオチドを合成し、その内Random変異を導入した断片を挟む形で3種の断片をLigationでつなぐ。それを鋳型DNAとしてT7 RNA polymeraseによりRNAの転写を行い、得られたtRNA様分子集団を出発世代のRNA poolとして用いる。次に精製したRNA分子とNS5抗原をincubationし、ニトロセルロース膜上でRNA-Proteinのハイブリッドを形成させ、NS5抗原と結合性を示すRNA分子を得る。その後、選択された微量のRNAを鋳型として逆転写反応によりcDNAを合成し、PCRで増幅する。こうして得られたDNA poolを用いて、T7 RNA polymeraseによる転写とDNase処理を行った結果、再びRNAの分子集団を得ることができる。以上をSELEX法の1Cycleとし、以降同様の操作を繰り返した。現在はSELEX法と並行してDNA poolの塩基配列の多様性をPCR-SSCPにより見積もっており、その配列が限定された時点でSELEX法の反応Cycleは停止させる予定である。得られたRNAはRT-PCRにより増幅後クローニングし、塩基配列を決定する。
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